6. 8月支給分から年金の手取り額が変わる人とは
8月の年金支給分については、年金から基本的に天引きされる介護保険料により、手取り額が変わる人もいます。
介護保険料が年金から天引きされることを特別徴収といいます。たとえば千葉市の場合、年金支給の際の特別徴収について各月の徴収額を以下のようにしています。
- 4月、6月の徴収額:保険料は前年の所得が確定する6月以降でないと決まらないため、仮に決めた保険料額として前年度2月分と同額の保険料を納める。
- 8月の徴収額:当該年度の年額保険料から、4月と6月分の保険料を差し引いた額を4等分し、その金額を納める。
- 10月、12月、2月の徴収額:当該年度の年額保険料から、4月、6月、8月の保険料を差し引いた額を3等分し、その金額を納める
ただしこれは自治体によるもので、一部の自治体では7月に介護保険料が決まり、10月から年金振込額が変わる場合もあるので注意しましょう。
詳しくはお住まいの自治体を調べてください。
7. 老後の年金は手取りで生活を考えよう
今回は年金制度や受給額について詳しくお伝えしました。基本的には年金から税金や社会保険料が天引きされますので、年金は「手取り」で生活費を考えるようにしましょう。
現役世代の方はねんきんネットで将来の年金見込み額を見ることもできます。自身の老後の年金見込み額をみるとともに、手取りで生活費は計算した方がいいでしょう。
また、少子高齢化の日本においては、老後年金受給額が下がる可能性も考えられます。
公的年金のほか、預貯金、また資産運用なども一部で取り入れて老後資金を考えるといいでしょう。
最近では新NISAで運用を検討される方もいますが、リスクもありますから、しっかりと情報収集をおこない、自身のリスク許容度の範囲で検討してみてください
投資はリスクがあり、必ずお金が増えるものではありませんので、リスクを把握したうえで自分の資金を考えることが重要です。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢年金請求書の事前送付」
- 日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」
- 千葉市「年金受給者ですが、介護保険料の特別徴収とは何か教えてください。」
足立 祐一