「おひとりさま」というと、趣味や自分の時間を楽しみながら充実した生活を送っているイメージがありますが、貯蓄がない状況は将来の不安要素になり得ます。
筆者が前職の金融機関で営業職をしていた際にも、おひとりさまで自由にお金を使っている方と接することが多くありました。
しかし、ほとんどの方は「今を楽しむこと」と「将来の備え」のバランスをしっかり考えており、NISAやiDeCoなどを活用して効率的に資産形成を進めているのが印象的でした。
ちなみに、6月13日は年金支給日。このタイミングで「将来の生活設計」について考える方も多いのではないでしょうか。
では、実際にNISAを活用するとどのくらい資産形成ができるのでしょうか?
今回は、新NISAを利用した積立投資のシミュレーションや、NISAで資産運用を行う際のポイントについて詳しく解説していきます。
1. 新NISAって結局なに?今から始める人が知っておくべき基本とメリット
NISA(ニーサ)は、2014年に導入された資産形成促進のための制度で、2024年には「新NISA」として改定されました。
この制度の最大の魅力は、投資によって得た利益に対して税金がかからない点です。
通常、投資から得た利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すると、この税金が免除され、得られた利益を全額手にすることができます。
留意点として、NISAには投資できる金額や商品に制限があるため、いくつかのポイントを確認しておくことが大切です。
1.1 「新NISA」の6つの特徴とは?
「新NISA」の主な特徴は、下記の6つです。
- 非課税保有期間は無期限
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
- 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
- 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
- つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
- 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」
「投資」と聞くと、ある程度のまとまった資金が必要だと考えがちですが、実際には500円や1000円などの少額からでも投資を始められる商品が増えており、NISAを活用すれば、投資信託や株式なども少額で投資することが可能です。
次章では、毎月少しずつお金を積み立てていった場合、将来的にどのくらいの資産を築けるかをシミュレーションしてみましょう。
2. 【50代からの資産形成】毎月5万円の積立で老後資金はいくらになる?利回り別シミュレーション
本章では、新NISAの積立投資を利用することで、どのくらい資産を築けるのかを以下の前提条件をもとに、想定利回り1~5%でシミュレーションを行います。
- 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
- 積立額は毎月5万円
- 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品
シミュレーションの結果は以下の通りです。
2.1 【試算結果】積立投資「毎月5万円」×15年×「年1~5%」
想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)
- 年1%:970万6000円
- 年2%:1048万6000円
- 年3%:1134万9000円
- 年4%:1230万5000円
- 年5%:1336万4000円
元本は900万円ですが、運用によって70万~436万円程度の増加が見込まれる可能性があります。
ただし、高いリターンが期待できる金融商品は、同時に高いリスクも伴う可能性があるため、その点を十分に理解しておくことが重要です。
3. 【積立額別】50歳から65歳までに「老後2000万円」を作る場合でシミュレーション
老後に必要な金額は家庭ごとに異なりますが、仮に2000万円を準備するために、50歳から65歳までの15年間に毎月どれくらいの金額を積み立てる必要があるかをシミュレーションしてみましょう。
ここでは、利回り3%の投資信託を利用した場合の試算結果を紹介します。
3.1 【試算結果】15年間×3%で積立投資
毎月の積立金額:資産評価額
- 1万円:227万円
- 3万円:680万9000円
- 6万円:1361万8000円
- 9万円:2042万8000円
- 12万円:2723万7000円
※想定利回り:年3%
シミュレーション結果によると、年利3%で15年間投資を続ける場合、毎月9万円を積み立てることで「2000万円以上」の資産を作れることが分かりました。
とはいえ、9万円という積立額は少額とは言えず、また、利回りが予測通りに安定しない場合、目標額に達しないリスクもあります。
老後資金の積立はできるだけ早期に始めることが大切です。
例えば、3%の利回りで30歳から65歳までの35年間で2000万円を目指す場合、毎月の積立額は「2万6971円」で済みます。
このように、時間をかけて積み立てることで、月々の負担を軽減することが可能となるでしょう。
4. 資産形成を検討している方へ:ポイントをおさらい
本記事では、新NISA制度について解説してきました。2024年に改定されたこともあり、最近の注目度はかなり高くなっているように感じます。
しかし、NISAは必ず増えるものではなく、投資元本が変動する元本保証がない商品性です。
そのため、盲目的にNISAを始めるのではなく、しっかりとリスクも含めた仕組みを理解したうえで取り入れるかどうかを判断しましょう。
もしも、NISAのリスクを許容するのが難しそうだなと感じた場合は、債券等のもう少し低リスクの商品で考えてみましょう。
資産運用で大事なことは、なるべく長く続けてあげることです。無理なく続けられる方法をしっかり探していきましょう。
5. 年金のよくある疑問まとめ|繰下げ受給・仕組み・老後資金の増やし方まで解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
5.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。




