そのような状態をもたらした原因の1つが、「普段、夫が家にいない」という状況が当たり前だったからだと推測できます。妻が子どもの教育で追い詰められたり、体調が悪く家事がつらくてSOSサインを出していても夫が仕事を優先してきた場合、妻の小さな絶望が積み重なっていきます。

若い頃には夫への期待からあれこれ口うるさく言っていた妻が、年月とともに冷めた態度になっていくと、夫は「妻から愛されていない」「性格が合わない」と感じ、夫婦仲の悪化スパイラルが発生しやすくなるのかもしれません。

既婚男女はセカンドライフに「心のつながり」を重視している

ちなみに、既婚男女が「長寿化が進む中で配偶者やパートナーに求めるもの」としては、子どもがいる・いないにかかわらず、男女ともに1位が「ともに老後を生きていくパートナーとしての役割」、2位が「相談・癒しの相手や自分を理解してくれる存在」という結果に。

変わりゆく社会の中で、夫婦がそれぞれが「支えてほしい」「わかってほしい」という満たされぬ欲求をくすぶらせながらあわただしく仕事をして、子を育て、親の介護に悩み、やがてやってくる2人の時間。

定年後のセカンドライフの質を左右するパートナーとの関係性は、現役時代の行動が大きな影響を与えるようです。今のパートナーと一緒に老いていくことを望むのであれば、家庭内である程度自立した関係を築きつつ、相手の心に寄り添っていく必要があるのではないでしょうか。

【参考】人生100年時代の結婚に関する意識と実態 – 明治安田生活福祉研究所

北川 和子