株式市場の振り返り-日経平均株価は一時+620円高の大幅反発
2018年11月2日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 22,243円(+556円、+2.6%) 大幅反発
- TOPIX 1,658.7(+26.7、+1.6%) 大幅反発
- 東証マザーズ総合指数 930.9(+31.3、+3.5%) 大幅反発
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,495、値下がり銘柄数:561、変わらず:55
- 値上がり業種数:25、値下がり業種数:8
- 年初来高値更新銘柄数:11、年初来安値更新銘柄数:54
東証1部の出来高は18億1,812万株、売買代金は3兆5,672億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国株の大幅3日続伸を好感したリスクオンモードが高まったことに加え、取引時間中に米中貿易摩擦問題が解決に向かうことを示唆するニュースが流れたことで、活況な商いとなりました。
売買代金は3兆5,000億円を上回る高水準となり、これで4日連続の3兆円超えとなっています。
そのような中、日経平均株価は終日プラス圏で推移し、戻り高値を試す展開となりました。前場の半ばには7日ぶりに22,000円台を付け、後場の半ばから上げ幅をさらに拡大しました。一時は+620円高まで上昇して10月23日以来の高値を付ける場面もありましたが、その後はやや上値が重くなっています。それでも大幅続伸となり、終値でも7日ぶりの高値で引けました。
ちなみに、終値の上昇率は大発会、3月27日に次いで今年3番目の高さとなっています。
なお、TOPIXも同じような値動きで大幅続伸となりましたが、上昇率は日経平均株価を大きく下回りました。これは、大型株への買い戻しが圧倒的に優勢だったことを物語っています。
東証マザーズ総合指数は大幅反発、売買代金は16日連続の1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は4,566万株、売買代金は723億円となり、いずれも前日より減少しました。大型株市場の活況な商いとは対照的に、新興市場は盛り上がりに欠けた商いが続いており、売買代金は16日連続で1,000億円を下回っています。
ただ、一部には買い戻しの動きが見られた結果、総合指数は大幅反発となりました。再び900ポイントを回復しましたが、今後は個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。
ファーストリテイリングが再び年初来高値更新、日本車両製造は大暴落でストップ安
個別銘柄では、主力大型株は総じて大幅高となり、ファーストリテイリング(9983)が再び年初来高値を更新。ファナック(6954)が急騰し、同じFA関連株のキーエンス(6861)は好決算が評価されて一時+12%超の爆騰となりました。
また、前日に大暴落となったNTTドコモ(9437)やKDDI(9433)も急反発しましたが、株価の戻りはやや限定的に止まっています。
その他では、機械株の上昇が目立ち、日立建機(6305)、コマツ(6301)、SMC(6273)、安川電機(6506)などが軒並み大幅上昇となったのが目を引きました。
一方、自動車株は全般的に軟調な値動きとなり、とりわけ、前日に決算発表を行ったスズキ(7269)は一時▲10%超の暴落となり、年初来安値を更新しました。
また、先日に台湾で起きた列車脱線事故に関し、設計ミス(機能不備)を発表した製造元の日本車両製造(7102)に売りが殺到してストップ安で引けています。さらに、親会社である東海旅客鉄道(9022)も一時▲3%安の大幅下落となりました。
その他では、LIXILグループ(5938)が株式市場から社長交代人事を不安視されて連日の年初来安値更新となったことや、10月末に巨額赤字転落を公表した千代田化工建設(6366)が3日連続のストップ安で引けたことなどが注目を集めたようです。
新興市場では、サンバイオ(4592)が値を飛ばしてストップ高で引け、そーせいグループ(4565)が急騰するなど他の医療バイオ関連株も軒並み値を上げました。また、前日に暴落したユナイテッド(2497)は、取引時間中に年初来安値を更新するまで下落しましたが、その後は買い戻されて大幅高で終わっています。
なお、時価総額が最大のメルカリ(4385)は4日続伸となり、一時は公開価格(3,000円)を回復しましたが、終値では割り込んだままとなっています。
葛西 裕一