株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反落、一時▲300円弱安の場面も

2018年11月1日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,687円(▲232円、▲1.1%) 3日ぶり反落
  • TOPIX 1,632.0(▲14.0、▲0.9%) 3日ぶり反落
  • 東証マザーズ総合指数 899.5(▲7.9、▲0.9%) 3日ぶり反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:937、値下がり銘柄数:1,108、変わらず:66
  • 値上がり業種数:13、値下がり業種数:20
  • 年初来高値更新銘柄数:13、年初来安値更新銘柄数:72

東証1部の出来高は17億8,249万株、売買代金は3兆2,704億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。米国株の続伸を好感したリスクオンモードが高まった一方で、円高進行や連日の大幅反発に対する警戒売りも出たようです。商いは前日より減ったものの、売買代金は3兆円を大きく上回る高水準となりました。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏で推移しました。下げ幅を縮小する場面もありましたが、後場の後半以降は再び下げ足を速め、大引け直前には一時▲292円安まで売られています。最後はやや挽回しましたが、3日ぶりの反落で引けました。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日ぶりの反落となりましたが、下落率は日経平均株価より小さくなりました。これは、日経平均株価を構成するような大型株に対する売りが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は3日ぶり反落、売買代金は15日連続の1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は5,718万株、売買代金は781億円となり、いずれも前日より減少しました。大型株市場の活況な商いとは体操的に、新興市場は連日で盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は15日連続で1,000億円を下回っています。

また、総合指数も3日ぶりの反落となり、再び900ポイントを割り込みました。今後は個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

NTTドコモとKDDIが揃って大暴落、村田製作所とTDKは大爆騰

個別銘柄では、通信料金引き下げに伴う携帯事業の収益大幅悪化が現実的となったことを受け、通信キャリア株が軒並み急落しました。

前日に通信料金の大幅引き下げを発表したNTTドコモ(9437)が一時▲15%超安の大暴落、KDDI(9433)が一時▲17%超安の大暴落、ソフトバンクグループ(9984)も一時▲9%超安の急落となっています。

また、NTTドコモの親会社である日本電信電話(9432)に至っては、滅多に見られないストップ安(▲15%弱安)で終わるなど、まさしく、通信キャリア株にとっては“暗黒の木曜日”になったと言えましょう。

なお、来年から携帯事業に参入する楽天(4755)も一時▲8%安に迫る急落となりましたが、その後に発表されたKDDIとの提携を受け、終値は小幅上昇に転じました。

さらに、前日の決算発表を受けて日東電工(6988)が一時▲16%弱安の大暴落、ヤマハ発動機(7272)も一時▲15%超安の大暴落、東京エレクトロン(8035)も一時▲7%安に迫る急落となったのが目を引きました。

その他では、パナソニック(6752)も急落して年初来安値を更新しています。

一方、前日の決算で業績予想を上方修正した村田製作所(6981)が一時+14%超高の大爆騰となり、TDK(6762)は一時ストップ高まで買われましたが、両銘柄ともその後は利食い売りに押されて上げ幅を縮小しました。

また、ファーストリテイリング(9983)、ソニー(6758)、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、資生堂(4911)などが大きく値を上げています。

新興市場では、ユナイテッド(2497)が▲15%超安の暴落となり、ユーザベース(3966)も急落しました。一方、時価総額が最大のメルカリ(4385)も3日続伸となりましたが、依然として公開価格(3,000円)を割り込んだままとなっています。

葛西 裕一