5. 【一覧表】年金を「繰下げor繰上げ」したら受給額はどれくらい変わる?
ここからは、繰上げ・繰下げ受給した場合の「年金額の違い」をシミュレーションしていきます。
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金部分を含む)の平均月額は14万6429円。ここでは本来の年金額が「15万円」だった場合を想定してシミュレーションします。
「60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳」で年金を受け取り始めた場合に受け取れる累計の年金額を見ていきましょう。
60歳・65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳《各年齢での累計受給額はいくら?》

出所:日本年金機構「年金の繰上げ・繰下げ受給」をもとにLIMO編集部作成(「keisan 生活や実務に役立つ計算サイト」を使用)
70歳・75歳の時点でもっとも累計受給額が多いのは「繰上げ受給」です。これが、80歳時点では本来の「65歳から受給」が最も年金額が多くなり、85歳以降では「繰下げ受給」の方が多くなります。
世帯の資産状況と健康状態を考慮して、ベストな受給タイミングを見つけていけたら良いですね。
6. まとめにかえて
ここまで、公的年金の制度や平均受給額について詳しく解説してきました。
公的年金の運用はGPIFが担っています。運用の資産配分は原則として5年に1度見直されており、2025年3月のGPIFの発表によると、今後5年間も引き続き、国内外の株や債券に25%ずつの配分で運用するとのことです。
個人で資産形成を考える場合に、NISAやiDeCoといった制度を活用する方法がありますが、ひとつの資産に集中せず「分散」を意識して運用することが大切です。
早めに行動を起こして、安定した老後を目指しましょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢年金請求書の事前送付」
- 日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」
- 日本年金機構「年金の繰上げ・繰下げ受給」
入慶田本 朝飛