2018年10月26日に行われた、ソフトバンク・テクノロジー株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:ソフトバンク・テクノロジー株式会社 代表取締役社長 CEO 阿多親市 氏
2019年3月期第2四半期決算説明会
阿多親市氏:ソフトバンク・テクノロジーの阿多親市と申します。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから、2018年度の上半期の決算説明を行いたいと思います。
すでに昨日(2018年10月25日)の16時にアナウンスをしておりますように、(上期の)売上高・営業利益とも過去最高の数字というかたちになってございます。
2016・2017・2018年度を、「第2次3か年計画」と位置付けてございます。それが、今は全体の6分の5が終了した状況でございますので、まずはこのあたりについて進捗状況をご報告させていただいて、業績の概況についてご説明をしたいと(考えております)。
数値データ以降につきましては、Appendixでご確認いただければと思います。
第2次3か年計画「基本戦略」(FY16~18)
まず、第2次3か年計画がどういうものだったかといいますと、第1次(3か年計画)では「競争相手に負けない強い領域」をつくろうということで、「セキュリティ」と「ビッグデータ」と「クラウド」の3つで強い武器を持とうと、3年間やってまいりました。
現在の第2次(3か年計画)においては、これを「すべてクラウド上で(行う)」ということで、オンプレミスの仕事はほぼやっていかないと(いうことです)。もちろん既存の(オンプレミスの)お客さまはいらっしゃいますので、既存のお客さまの仕事はしてまいりますが、基本的にはクラウドにどんどんシフトしていくと(いうことです)。
お客さまのコンピューティングシステムをクラウドに移せるよう、また、私どもの技術を使っていただけるように、この3つの領域をコンパイルしてクラウド上に(集約しよう)というのが、1つの戦略です。
もう1つは、2016年度当初においては、なかなか「IoTの姿」というのが見えてこなかった。「何百億ものThings」が繋がると言われても、どこをどう手伝えば役に立って、どこをどう手伝えば……平たく申しますとマネタイズできるのか、ビジネスになっていくのかということを、3年かけて開発を進めると申し上げました。
もう1点は、お客さまにとっての「ITのパートナー」というよりも、「ビジネスのパートナー」になっていけるようにしていこうと(申し上げました)。
その理由は(何かと言うと)、今年(2018年)になってから「コーポレートIT」や「ビジネスIT」という言葉が登場している状況にございます。コーポレートITの分野といいますのは、コミュニケーションインフラですとか、あるいは基幹系のシステムというものをハンドリングする場所で、これはコストがかかるので、どんどんコスト縮小の方向にやってくると(いうことです)。
(一方で)ビジネスITというのは、例えば、「事業部門が持っている自らの事業を広げていくためには、もっとITを活用しなければ」というようなことで、おおよそ販促費だとか営業費の一部に含まれていくものです。このビジネスITにチャレンジしていこうというのが狙いとなります。
以上が、この3か年計画の、定性的な3つの目標でございました。
「クラウドへの集約」の進捗
まず「クラウドへの集約」につきましては、6年前(2013年度)に、私どもが戦略を設定した時から、まずは「STAGE1」として、コミュニケーションインフラを握っていこう、ここのお手伝いをすることで信用を得よう。
「STAGE2」としては、この上で社員同士が会話していく。あるいは経営と社員、あるいは社外パートナーと社員というような繋がりができる、「コラボレーション基盤」といったものを提供していこうと(いうことです)。
そしてそのあとに、いよいよ本丸に入っていく「STAGE3」です。今までありました、大きなメインフレームによる基幹業務というものを、どんどん前に出していこうと(いうことです)。「前に出す」とはどういうことかというと、「クラウド上に乗せ換えていく」ということになります。
今年度でいいますと「一気に(STAGEの)1・2・3をやりたい」という企業さまもいらっしゃいますし、「この6年をかけて順番に1・2が終わったので、3の相談に入りたい」というお客さまもいらっしゃるというのが、今のSTAGEでございます。
これを、今まで足掛け6年でやってまいりました。その中でいろいろな失敗もしましたが、そこで生まれてきた我々独自のノウハウがございます。
これをパッケージ化して販売していこうということで、今年(2018年)の8月に「clouXion」というブランド名で立ち上げました。私どものソリューションパッケージを販売していこうというかたち(が、1つ目の「サービス開発の強化」)になります。
2つ目はセキュリティの話ですが、昨年度(2017年)上半期において、4県121市町村の、情報セキュリティクラウドというもののインプリメンテーションをやってまいりました。その時に、「大変な仕事だ」ということを味わったわけでございます。現実としてその分野は、昨年上半期において約1億円のコストオーバーが出てしまうということがございました。
その中で開発をしてきたものは、それまでのデータアナリティクスのノウハウだったものを、このMSS(マネージド・セキュリティ・サービス)の中に入れていこう、AIを使ってイレギュラーな数値を見出していこうということをやってきて、今年の春にAI付きの監視基盤をつくりました。それをもって、MSSというものを繋いでまいりました。
後ほどご説明いたしますが、それも私ども自身が売るだけではなくて、ほかのパートナーさまにも売ってもらおうという考えでございます。
3つ目に、ビジネスIT(事業部門)のところ。これにチャレンジしております。大変大きなブランドのお客さまがいらっしゃいますが、その中にはIT部門(の人員)が非常に数少なく、どちらかといいますと、基幹系システムの対応で負荷が高いところに、事業部門からどんどんリクエストがくる。
そのリクエストに対して、私どもが一緒になってお手伝いをしていく中で、若干の掛け違い等が生じてくる。そういう中で、この上半期に不採算な案件が発生したという状況でございます。
クラウドサービスのブランド「clouXion」立ち上げ
まず(クラウドサービスのブランドの)「clouXion」でございます。
ここに、もう11個のソリューションを揃えております。「今年(2018年)から初めて売るのか?」ということではなく、この5~6年ずっと、個別のものとして販売してまいりました。
(「clouXion」シリーズ合計で)現在は500社のエンタープライズ企業さま(にご利用いただき)、お使いになっていただいているユーザーさまは90万人いらっしゃるというかたちでございます。
この中でも、左側の上から2つ目の「ADFS on Cloud」。クラウドを使うのに、アクティブディレクトリをクラウド上に置いて使ったほうが絶対いいだろうということで、2014年に開発をしてまいりました。
現在の70社近いエンタープライズ(の企業さま)のなかで、55万人のユーザーさまがいらっしゃると(いうことで)、私どもの「clouXion」の中核になるサービスでございます。
こういったものを中心に、ブランドを(「clouXion」に)まとめた1つの理由というのは(何かと申し上げると)、Microsoftさんとこの6~7年、ずっと一緒に戦略を分かち合いながら、意見も出しながらやってまいりました。
当初のAzureというクラウドは、Azureという基盤はつくったけれども、我々と同じようなパートナーに「どうやって使ったらいいか?」という問いかけがあって、「どういうふうにやっていきましょうか」ということになってくる。
それ(クラウド活用)がどんどん加速していく中で、昨年度(2017年)から話し合いを始めたのは、「Azureを利用したソリューションをつくってくれないか? その販売をMicrosoftが支援する」。彼らの中では、「Sell with」と言うようでございます。
すなわち、彼らはプロダクトベンダーです。今までプロダクトベンダーとSIerでやってきたものを、ここに「ISV」(Independent Software Vendor)という、(独立系)ソフトウェアベンダーというものを入れなければだめだと(いうことです)。それは、お客さまの中で成功したものでないと、お客さまは利用してくれない。とくにエンタープライズのお客さまは(そうお考えでございます)。
そういうことで、11個のソリューションを(「clouXion」として)パッケージ化して、私どもも販売しますし、Microsoftさんも販売する。あるいは、私どもだけではなく、私どもと競合するようなSIerさんにもこのパッケージを使っていただく。
すべてのソフトウェア・サービスは、月額課金のリカーリングモデルになっています。お客さまのサイズによって価格が変わるわけでありますけれども、非常に柔軟なスケーラビリティを持っているサービスを8月に発表させていただいて、今は私どものエンジニアがMicrosoftさんの本社に行って、営業の方にトレーニングをしているという状況でございます。
マネージド・セキュリティ・サービス(MSS)の強化と効率化
もう1つは、マネージド・セキュリティ・サービス(MSS)です。
この分野(セキュリティ運用)をやっていかなければということで、これまでいろいろなかたちでトライしてまいりました。2013年には、自社にSIEMという統合監視のソフトウェアも入れました。2014年からは、親会社のキャリアのサービスもお手伝いしました。
そういう経験をしていく中で、2016年~2017年にかけて4県121市町村の受注を受け、自治体情報セキュリティクラウドの構築をしてまいりました。
そういう中で、すごい量の問い合わせがやってくる。(大きな不具合ではなく)少しおかしくても問い合わせがすべてくる状況をどう取り扱うかということで、「ここに、AIを使うべきだ」ということで、AIを導入しました。
「SBT ログ分析基盤」と書いてありますが、ここにAIを入れております。監視ポイントでカウントすることが多いわけですが、2016年の段階では、わずか数十、60~70ぐらいの監視ポイントしかなく、企業さまでしか使われていなかった。(2018年)現在は、10倍の数になっています。公共機関が280、一般企業が400ぐらいの数になっていまして、今は700近い監視ポイントをハンドリングできていると(いうことです)。
私どもと同じようなSIの会社あるいはNIの会社で、トータルの案件として仕事を受けるときに、SOC(セキュリティオペレーションセンター)については、「SBTのサービスでやらせてくれ」、あるいはプロダクトベンダーのものについても「OEMをやってくれ」など、実際に私どものSOCが利用される機会が増えております。先ほどの「clouXion」と同じく、このエリアもどんどん広がっていくと理解しています。
「IoTビジネスの開発」の進捗
次に、IoTのエリアでございますが、ちょうど1年前(2017年10月)に、私どもの子会社であります旧サイバートラストとミラクル・リナックスを統合して、今の新生サイバートラストを設立いたしました。
狙いは、IoT(の浸透)に向けて、外してはいけない大きな場所が2つある。その1つは、「デバイスを、どう安全に管理していくか」。あまりにも利用分野が広いですから、その利用分野1個1個のアプリケーションの話というよりは、この一つひとつのThingsそのものがちゃんと独立して、見分けがつくかが重要になってくるということで、サイバートラストの役目が、それに対して証明書を1枚ずつ配布していくことだと(いうことです)。
そして、作ったコンセプトが「セキュアIoTプラットフォーム」です。
非常に多くのお客さまにご賛同いただいて、「セキュアIoTプラットフォーム」の委員会が形成されました。また、総務省も「このセキュア・バイ・デザインでやらなければいけない」というガイドラインを示しています。
2つ目は、「ソフトバンク・テクノロジーは、いったい何をするんだ?」と(いうことです)。ソフトバンク・テクノロジーはSIの会社です。サーバーを中心としたソリューションをやっています。ですので、「クラウドでやることがあるだろう」ということで、今まで何個もPoC(Proof of Concept)というかたちでトライアルをやってまいりました。
それについて「コストがかかります」という話も、何度かこちら(の決算説明会の場)でさせていただいています。実際(のところ)、1個構築して設定して、そしてひと回りの3ヶ月~4ヶ月のPoCの答えが出るまでに、1,000万円単位のお金がかかってきます。それを、お客さまと折半でやるかたちで進めていったり、場合によっては私どもが出したりというケースも起きてくるわけです。
いくつかのことをやっていく中で、「要は、こういうことだな」とわかったソリューションを、今週(2018年10月23日)発表させていただきました。「IoT Core Connect」です。「IoTを進めるなら、まずこのパッケージでスタートしてみてください」というものの提供を開始しています。
これについてのお問い合わせは、ニュースリリース以来大変いただいていますし、また、パートナー会社さまにも大変なご賛同を示していただいています。
セキュア IoT プラットフォーム(デバイス側:サイバートラスト社)
「セキュアIoTプラットフォーム」について少し中身をお話しします。この左側のレイヤーは、総務省さんがお示しになった、「セキュア・バイ・デザインでやるためには、こういうことが必要だ」と(いうものです)。それをプラットフォームとして実現するのが、この考え方です。
まず、チップの中に最初に鍵を入れよう。そして、そのチップを包含するシステム……例えば、産業機器・工作機器などを作られるメーカーさまの中で、ここに証明書を入れて、「何年何月から何月までのロットの中の、どういう製品である」ということを証明してもらう。
そしてそれを、例えば工場やプラントあるいは工事現場だとか、そういったところで初めて電源を入れたときに、「この工場で使うものである」ということが、証明書として引き込まれてくる。そして、これらの機器はスマートフォンあるいはパソコンなどのように、2年や5年で買い換えるという種類のものではありません。10年や15年、もしくは20年と使っていくものが、IoTの中に求められているものでございます。
その間、当然いろいろなソフトウェアのアップデート、あるいは、脆弱性を見つけたらパッチを当てなければいけない。
そういったときに間違った、「悪意のあるコード」を入れてしまっては、問題が起きたりする。それをきっちり、証明書同士で正しいものであることがわかって、正しいコードであることも証明された上でダウンロードして、アップデートされていく。
そして最後に、(そこからさらに)2次販売あるいは盗難に遭うことで違う目的に使われたり、あるいは想定していない装備と接続されたりすることを避けるために、廃棄しなければいけない。
すなわち、証明書をディセーブルすることによって、もうネットワークに繋がらない作業をやっていくのが、この一連のライフサイクルでございます。日本に2つしかない公的な認証局として、サイバートラストがその認証を提供していくことを中心に行っています。
IoT Core Connect(クラウド側:ソフトバンク・テクノロジー)
もう1つは、先ほどお話ししました「IoT Core Connect」でございます。当社に向いているIoTのエリアは、1つには、やはり製造業ではなかろうかと(考えました)。プラントでもPoCをやらせていただきました。工場でもやらせていただきました。それから、ビル管理でもやらせていただきました。
例えばビルの電力系は、3つの電力に分かれています。照明コンセントや衛星、あるいは動力。これらの3つに分かれて、それぞれ提供する会社が違う。
それらを合わせて、ビルの管理センターで見ていることになっていますけれども、数十数百のビルディングを統括で見られる場所が必要だというお話もありました。プラントの事前保守をやらないと、とんでもないことになる。定期保守だけでは、もうぜんぜんだめだということがありました。
「セキュアIoTプラットフォーム」のコンセプトはすばらしいわけですが、すべての機器が一気に新しくなるわけじゃない。先ほど申しましたように、15年や20年が平均耐用年数ですので、それが入れ替わるのには20年かかるという話になってしまいます。
そうではなくて、今のセンサーからすぐに繋いで、すぐに見られるものを作っていきましょうと出したものが、この「IoT Core Connect」でございます。
これまでのところがクラウド、そしてIoTに関する現在の進捗状況ということで、まとめさせていただきました。
連結 2019年3月期上期業績(前年同期比)
さて、昨日(2018年10月25日)リリースいたしました、業績の発表でございます。
売上高は245億円、限界利益は70億円、固定費は約60億円、営業利益は10億1,400万円、経常利益は7億7,800万円でございます。営業利益が上半期で10億円を超えたのは、当社の歴史の中において初めてということで、「過去最高」と言わせていただいています。
1点(申し上げるとすれば)経常利益です。これは、今年4月の前年度の決算説明会のときに、「持分法(投資)利益が連結されてございます」というお話をいたしました。ですので(2018年3月期通期は)営業利益が21億7,000万円、経常利益が約24億円となっていました。
(2018年3月期第4四半期に持分法適用関連会社にて大きな利益の計上があり)2億4,000万円の持分法の経常利益の計上がございました。(第2四半期においては逆にその会社にて大きな損失が発生したため持分法損益を取り込んだ結果、)経常利益上は2億4,000万円マイナスになったと(いうことです)。そしてその会社(の株式)を、この9月末にすべて売却しています。ですので、経常利益の下で、8,600万円(が投資有価証券売却益というかたちで)戻ってきています。ですので、8,600万円を足したところに対して税金がかかっているので、この親会社株主に帰属する四半期純利益に計算されていると(いうことです)。
(以上は連結会計の話で、単体としては、)シンプルに申し上げますと、私どもの会社として、4年前に当該会社へ4,100万円の出資をいたしました。結果として、1億8,000万円というお金が戻ってきています。
その会社とはもうシナジーが見込めないということで、この上半期で株式を売却させていただいて、最終的に残ったものは、4年前の(出資分の)4,100万円と、今年手に入れた1億8,000万円が答えでございます。
連結 顧客別・形態別売上の状況
それでは、本業のところでご説明を続けたいと思いますけれども、顧客別・形態別(売上の状況)でございます。
(まずは)一番左側の下のところです。青色のところがいわゆる個人ユーザー向けで、EC販売を主としたところでございます。(FY16H1が)91億円、(FY17H1が)89億円、(FY18H1が)93億円とございますが、今年(FY18H1)は「若干良かった」というかたちでしょう。
それから、真ん中のオレンジ色のところが、グループ外のエンタープライズ向けの売上。これは、堅調に推移していると(いうことです)。
グループ向けの売上が、一番上の赤色のところでありますけれども。これにつきましては、昨年(FY17H1)の第1四半期をもって、ハードウェア・サーバーの販売をストップいたしました。そのせいで、昨年と比べると約10億円、スタートポイントが違うということがございます。ここで6億円マイナスになっているわけですけれども、逆に4億円、他のもので増えたと見ていただければと思います。
それから、右側が形態別でありますが、(一番下の)EC。ここには、第1四半期の売上・利益に貢献してくれた、フォントワークス株式会社(の売上が含まれます)。従来だと3月に売上が偏重していましたが、パッケージ送付からダウンロードモデルへの変更で4月(の偏重)になりました。その分のライセンス料が影響して、102億円となっています。
その次が運用・サービス。今まで開発してきたものが運用に転換して、運用の中で、どんどん保守をしていくスタイルに変わってきていると(いうことです)。その次が開発です。
機器販売ですが、機器そのものの取扱いはしていません。しかし、「Microsoft Azure」のライセンスといったものも含まれます。
連結 ECサービス事業の進捗
ECサービスは、フォント等が若干上乗せされて、こういうかたちです。
利益もフォントの貢献です。シマンテックビジネスも非常に順調に進んでいますので、このエリアにおいても、プラスが出ているということでございます。
連結 データアナリティクス事業の進捗
次が、データアナリティクスです。
これは、3年前(2016年度)に「データアナリティクスをクラウド上で(やる)」というふうにやってまいりました。当時は、データアナリティクスに関するプロダクトベンダーであるAdobeさん、Sitecoreさんの2社がクラウドにいくという前提でした。
Sitecore社につきましては、マイクロソフト社のパートナーとして「Microsoft Azure」に移行し、私どもがこの3年間で手がけているものは、すべて「Microsoft Azure」上のSitecoreとなります。Adobeさんは、そうではなかったと。それから、この3年の中で、大きなトレンドの変更があったと(いうことです)。
Adobeさんにとっての最大のパートナーが、SIerであった私どもから、広告代理店である電通さん・博報堂に移りました。テレビ・新聞雑誌等の広告から、だんだんとWebの広告に移っていく中で、広告代理店の営業の方は、みんなウェブ解析士の初級を取り、非常に簡単なツールで解析して、そのサービスを広告に付けることによって、Web上の広告を取っていく。あるいは、今までのレガシーの広告をキープしていくということをされてきました。
もう1つ。Adobe Analyticsというのは非常に高価で、高機能な製品です。少なくとも、年間に1億円以上のコストがかかる。それを払うためには、ミニマムで100億円の売上がないと無理だろうと。日本における100億円(の売上)を1年間で超えるECのサイトは、100社もありません。私どもは3年前の段階で、三十数社のお客さまをもっておりましたが、これ(対象顧客数)が伸びていくとは、なかなか考えにくいと(いうことです)。
ですので(売上高と限界利益が)下がっている。去年は持っていたけれど、今年はもう持っていないという状況です。
(第2次)3か年計画が終わって、次の3か年計画というものを4月から実行していくわけですが、その中で「どういうふうに取り組んでいくか」「お客さまに対して、どう接するか」ということが必要となってくるだろうと、認識しているということでございます。
連結 ITインフラソリューション事業の進捗
ITインフラソリューションは、この売上高のダウンは、まさに「サーバーの販売をやめたから」だと、シンプルにとらえていただいて(問題ございません)。
ただ、限界利益、いわゆる変動利益はほぼ下がっていない、そのぐらいの利益だったんだと思っていただければと思います。
連結 セキュリティソリューション事業の進捗
セキュリティソリューションは、順調に伸びていると(いうことです)。
去年は限界利益が上がっていたんですけれども……内部工数がすごく厳しい状況にあって、とてもプラスとは言えない状況だったんですが、今年はそれが健全になってきていると見てください。
連結 システムインテグレーション事業の進捗
システムインテグレーションは、主にソフトバンクグループ向けのSIを指しています。
キャリア自身がデータセンターもネットワークも持っているわけですから、クラウドに移るということはないわけです。自社で、クラウドサービスもやっているわけです。なので、今まで「クラウド」の中にはカウントしない(システムインテグレーションに計上する)ということで、やっておりました。
今回、参考のために書かせていただいたのは、この中でもAzure Cloudを使う案件が、この上期において売上高で3億円、限界利益で1億円ほどございました。
これは我々にとって、大変大きなプロジェクトです。「STAGE3」(『クラウドへの集約』の、「顧客ビジネスの本業をクラウド化」の段階)の大きなショーケースになるだろうと思って、数百人がかりで取り組んでいると見ていただければと思います。
連結 クラウドソリューション事業の進捗
クラウドソリューションは、今の(グループ向けクラウド開発案件の)分も足してみますと、堅調な仕上がりになってきていると見ていただければと思います。
連結 「クラウドへの集約」の状況
「クラウドへの集約」を、とにかくどんどん進めていきたいと(いうことです)。
いろいろと難しいことがあっても、それが我々の強みだと信じて、エンジニアの教育を進めています。このクラウドシフト……いろいろなものがクラウドに移っていくということを、これからも進めてまいりたいと思っております。
連結 2019年3月期上期業績(前年同期比)
売上高と限界利益のブリッジはご覧のとおりで、「クラウド+セキュリティ」と「ECサービス」が伸びて、「機器販売」が(終了したことによって、売上が)9億5,700万円なくなったので、このようなかたちです。
それから限界利益は、「クラウド+セキュリティ」が伸びて、「機器販売の終了」と「その他」が、わずかにマイナスしています。
連結 営業利益の前年同期比
営業利益の増減に関しましては、限界利益率の改善。本当に利益の出ないものをやめちゃったということでございますので、限界利益が改善しました。そして、人員系というのは当然(費用が)かかってきますので、固定費が増加していると(いうことです)。
(右側の)営業利益の推移が、こういうかたちでございます。相変わらず第2四半期・第4四半期のものは大きな部分を占めるわけですが、PMP(プロジェクト管理の国際標準資格)の考え方の中に、「アーンド・バリュー」と(いうものがあり)、日本語で平たく言うと「出来高方式」ですね。100のものが60できているのであれば、60の売上と60の利益を計上させていただくというかたちで進めています。
2016年においては、まだそれが熟成していなかった。現状において、2,500万円以上のSIのプロジェクト、そして期をまたぐようなプロジェクトに関しては、アーンド・バリューの計算の方式を使ってやってくると(いうことです)。
ですので、プラスには今期までにできあがった次の期に検収を受けるものが、売上・利益として上がってきますし、マイナスには次の期に検収をいただくのだけれども、赤字だとわかっているものは、今期の末にそれを引き当てておくということで、より前が見やすいかたちになっているかと思います。
単体 受注残高(ECサービスを除く)
受注残高は、131億円となっています。
それから、顧客別受注残高に関しましては、公共のところが昨年1年間(’18/3末)と比べて、12億円ほど減っている。1年間で10億円強の5年分の発注をいただいておりますのが、ちゃんと消費されていると見ていただければと思います。
昨年の下期は、選挙等の影響があってなかなか補正予算も決まらず、本予算にも動かなかった。当然この半期を使って、いろいろとご提案をさせていただいていると(いうことです)。
補正予算で反映されるのか本予算(になるの)かわかりませんけれども、公共のところも、まだまだオポチュニティがあると思っております。
FY18H1 決算サマリ
決算サマリは、もうお話し申し上げたとおりのことが書いてございますので(割愛しますが)、私どもの所感としては、こういうかたちでございます。
連結 2019年3月期業績の見通し(業績予想比)
期中の見通しについては、今期は(2018年)4月に掲げた(業績予想の)ままの数字でございます。
第2次3か年計画最終年度の取り組み(成長投資)
それから、この第2次3か年計画が終わる今年度……ソフトバンク・テクノロジーは、この社名に改名して、来年がちょうど20周年にあたります。
この20周年を機に、今いる社員で「これから10年後に、どういう世の中になるんだ」「どういうふうに、このITは貢献していけるんだ」というような、「Vision2030」というプロジェクトを開始しております。
(2018年)11月の1ヶ月をかけて、1チーム5、6人。大学の先生などを交えて、全部で750名参加し、約150チームで今後の10年後のITの状況と、SBTが進む方向……「どういう会社であるべきか」というようなことを、取りまとめてもらうということ(を予定しています)。
それから、同じく今月10月から、従業員持株会制度と(いうことです)。9月まではソフトバンクグループの持株会に入っていましたが、この4月からソフトバンクKKが私どもの親会社になるということもございましたので、半年かけて準備しまして、10月からSBTの株式を買っていただくというかたちの持株会にいたしました。
幸いなことに、全従業員の50パーセントが参加してくれるということで、会社の理解をもっと深めてもらって、そして一緒に考えるという会社にしてまいりたいと思っております。
私の説明の内容は、以上でございます。ご清聴ありがとうございました。