少子高齢化が加速しています。
2025年4月14日、総務省より「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐」が発表されました。
15歳未満の人口は前年比▲34万3000人で、総人口に占める割合は11.2%と過去最低に。一方、65歳以上の人口は前年から1万7000人増加しました。日本の総人口に占める65歳以上シニアの割合は、過去最高となる29.3%となっています。
老後に受け取る年金は、その時の現役世代が納める保険料収入から支給されるため、少子高齢化はシニアの年金暮らしに大きく影響します。しかし、人口バランスは短期的に調整できるものではないため、現役世代の人たちは老後に向けて公的年金以外の収入源や資産を確保しておく必要があるでしょう。
本記事では、いまのシニア世代の年金月額がどのくらいかを確認していきます。老後対策の参考に、現代の年金暮らしの実態を年金額から考察してみましょう。
1. 日本の公的年金制度の仕組みをおさらい!厚生年金・国民年金とは?
日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」から成り立つ2階建て構造となっています。
この2つの年金制度の基本を押さえておきましょう。
1.1 1階部分:国民年金
加入対象
- 原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
年金保険料
- 全員定額、ただし年度ごとに改定される(※1)
老後の受給額
- 保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降で満額の老齢基礎年金(※2)を受給できる。未納期間分に応じて満額から差し引かれるしくみ。
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
1.2 2階部分:厚生年金
加入対象者
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たす人が、国民年金に上乗せで加入
年金保険料
- 収入に応じて(上限あり)決定される(※4)
老後の受給額
- 加入期間や納付済保険料により、個人差が出る
国民年金と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決定方法、そして受給額の計算方法などが異なります。そのため、老後に受け取る年金額はひとりひとり変わってくるのです。
また、公的年金額は物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直しがおこなわれます。次では2025年(令和7年度)の年金額改定について紹介します。
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。