4. 年金だけで不安なら資産運用も選択肢
今回は、月額20万円以上の年金を受け取っている世帯について取り上げました。
多くの人が月額20万円以上の受給には届いていない現状が浮き彫りとなっています。
今後の物価上昇や少子高齢化の影響を考えると、年金収入だけでの生活が厳しくなる可能性が高くなります。
そのため、早い段階から資産運用など、資産を増やす方法を検討することが大切です。
近年、新NISAやiDeCoなどの税制優遇制度が整備され、投資初心者でも資産運用を始めやすい環境が整っています。まずは自分に合った運用方法を調べ、将来の生活資金に備える一歩を踏み出してみましょう。
5. 年金以外の老後収入源を考える
前章で述べたように年金と資産運用が老後資金の柱となる一方で、それ以外にも収入源を確保する方法があります。「まだ働ける」「何か新しいことを始めたい」という気持ちがあるなら、年金に頼らずに生活を支える選択肢を今から考えておくのも賢い選択です。
5.1 シニア向けの就労機会を活用する
定年後も働きたいと考えるシニアが増えています。
65歳以上の就業率は年々上昇しており、2022年には75歳以上の男性の内約17%の人が何らかの形で働いているというデータがあります(出所:厚生労働省「高齢期と年金をめぐる状況」)。
シニア向けの就労機会を活用する方法として、定年後のパートタイムやシルバー人材センターを通じた仕事もあります。
働くことで健康維持にもつながり、毎月の安定収入が得られるメリットがあります。仕事探しは、ハローワークや求人サイトの活用が有効です。
5.2 不動産収入で安定した資金を得る
もし自宅や空き家、土地を持っているなら、それを活用して収入を得る方法もあります。特に都市部では賃貸需要が高く、小さな物件でも安定収入につながる可能性があります。ただし、初期投資や管理の手間も考慮して計画的に進めることが重要です。
5.3 趣味を収入に変える挑戦
長年の趣味やスキルを活かして収入を得る方法も注目されています。
インターネットの普及で、オンラインでの販売や講座開催が身近になり、シニアでも気軽に始められる環境が整っています。
ハンドメイド作品の販売など、楽しみながら収入を得られる方法もあります。
6. 小さな一歩から始めてみよう
本記事では、現代のシニア世代の老齢年金の受給額を確認し、個人差はありますが老後に向けて公的年金以外の資産や収入源を準備する必要があることがわかりました。
前述のとおり、その方法はさまざまです。
自分のライフスタイルや体力、興味に合わせて選んでみてください。
資産や収入源を増やすことで老後の不安が軽減され、生活にゆとりが生まれます。まずはできることから挑戦してみてはいかがでしょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
- 厚生労働省「高齢期と年金をめぐる状況」
和田 直子