「老後2000万円問題」が話題になった2019年から早いもので6年が経ちます。この数年の間で相次ぐ物価の上昇により、これまで買えていたものが買えなくなったり、いつもと同じ感覚で買い物をしたら出費が大幅に増えていたりと、家計にとって大きな影響が起こっています。
そんな中、老後生活は2000万円では足りず、3000万円くらい必要なのではないかと考える人は増えているのではないでしょうか。
そこで今回は、60歳代と70歳代のシニア世帯にスポットを当てて、貯蓄3000万円超を保有する世帯がどれくらい存在するのかを確認していきたいと思います。
1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円以上の世帯はどのくらいいる?
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、60歳代・二人以上世帯の貯蓄割合は以下の結果となりました。
- 金融資産非保有:20.5%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満:5.3%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:20.0%
- 無回答:3.6%
平均:2033万円
中央値:650万
60歳代の二人以上世帯において、貯蓄が3000万円以上の世帯は「20.0%」を占めているのが現状です。
一方で、貯蓄が全くない「金融資産非保有」の世帯も20.5%に達しており、貯蓄の有無において大きな差が見受けられます。
この年代では、現役で働いている世帯と年金生活を送っている世帯が混在しており、退職金を受け取ったことで一気に貯蓄が増加するケースも考えられます。
では、70歳代の世帯では、老後生活が本格的に始まる中で、どのような貯蓄状況となっているのでしょうか。
次章では、70歳代の貯蓄状況を詳しく見ていきます。