2. 「標準報酬月額」の違いでどのくらい社会保険料の天引き額が変わる?
次に、「標準報酬月額」が異なると社会保険料の天引き額がどの程度変わるのかを、全国健康保険協会の「保険料額表(東京都)」を基にシミュレーションしてみましょう。
上記の表では、「等級」の隣にある「月額」の欄が「標準報酬月額」を示しています。
たとえば、給与が21万5000円の場合、「210,000〜230,000」の区分に該当し、「標準報酬月額」は22万円とみなされます。
なお、社会保険料は「標準報酬月額」に基づいて算出され、原則として労使折半(会社と従業員で負担を分け合う)となるため、「折半額」の欄に記載されている金額が給与から差し引かれることになります。
具体的には、40歳未満(介護保険の第2号被保険者に該当しない場合)で「標準報酬月額」が22万円の方は、健康保険料が月額1万901円、厚生年金保険料が月額2万130円となり、それぞれが毎月の給与から控除されます。
一方、残業代の増加により該当期間の平均給与が25万円となった場合、「250,000〜270,000」の区分に当てはまり、「標準報酬月額」は26万円へと引き上げられます。
その結果、健康保険料は月額1万2883円、厚生年金保険料は月額2万3790円となり、給与から天引きされる額が増えることになります。
このように、4月から6月にかけての残業によって平均給与が上がると、社会保険料の負担額も大きく変動するため、多くの人がこの時期の残業を控え、等級が上がらないよう調整しているのです。