いよいよ2025年度が始まります。
今年度の公的年金額は、物価上昇や賃金を踏まえ、3年連続のプラス改定となりました。
この記事では、厚生労働省の一次資料をもとに、最新の年金額に関するデータに加え、年金支給日のスケジュール、老齢年金の意外な盲点などに触れていきます。
働き盛りの現役世代のみなさんが、老後の年金生活をイメージするきっかけになればと思います。
1. 【2025年度の年金】4月分から厚生年金・国民年金はプラス1.9%に
公的年金は賃金や物価を考慮して年度ごとに改定されます。2025年1月、厚生労働省は2025年度(令和7年度)の年金額を、前年度より1.9%引き上げることを公表しました。
たとえば国民年金(老齢基礎年金)の満額は、月額で6万8000円(2024年度)から6万9308円(2025年度)へ増えます。
3年連続のプラス改定自体は喜ばしいことではありますが「マクロ経済スライド(※)」の発動により物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額は目減りしている点には留意が必要です。
では増額された年金は、何月から受け取れるのでしょうか。
※マクロ経済スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ
2. 増えた年金はいつもらえる?
改定された「4月分」の年金が支給されるのは「6月13日 金曜日」の支給日です。
次回の年金支給日は「4月15日 火曜日」です。この日には、2月・3月分がまとめて支給されます。
公的年金(国民年金・厚生年金)ならびに「年金生活者支援給付金(※)」の支給は「偶数月の15日」。15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しとなります。
基本的には「前月までの2カ月分」がまとめて支給される決まりです。2025年(令和7年)の年金支給日カレンダーを見てみましょう。
※年金生活者支援給付金:公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の人を対象して、年金に上乗せして支給される給付金
2.1 【一覧表】2025年の年金支給日カレンダー。4月分が支給されるのは「6月13日」です
【一覧表】2025年の年金支給日カレンダー
出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成
支給日:支給対象月
- 2025年2月14日(金):12月・1月
- 2025年4月15日(火) :2月・3月分
- 2025年6月13日(金) :4月・5月分
- 2025年8月15日(金) :6月・7月分
- 2025年10月15日(水) :8月・9月分
- 2025年12月15日(月) :10月・11月分
ひと月に1度、お給料が振り込まれる現役時代とは異なり、年金の支給は2カ月に一度。家計管理のテンポも変わってきそうですね。現役世代のみなさんにとっては意外な盲点かもしれません。