6. シニアの家計事情【60歳代後半・70歳代前半・75歳以上】の生活費
現代シニアは毎月の生活費にどれくらいお金がかかっているのでしょうか。
60歳代後半、70歳代前半、75歳以上に分けて生活費をみていきましょう。
6.1 60歳代後半・70歳代前半・75歳以上の実収入
- 65~69歳:30万7741円(うち社会保障給付21万6915円)
- 70~74歳:27万5420円(うち社会保障給付21万7558円)
- 75歳以上:25万2506円(うち社会保障給付20万7623円)
収入をみると、どの年代も年金は21万円前後となっています。
しかし年金は加入状況により個人差が大きいので、必ず自身についてねんきんネットなどで年金見込み額を確認しましょう。
6.2 60歳代後半・70歳代前半・75歳以上の支出合計(非消費支出・消費支出)
- 65~69歳:35万2686円(4万1405円、31万1281円)
- 70~74歳:30万3839円(3万4824円、26万9015円)
- 75歳以上:27万3398円(3万558円、24万2840円)
支出をみると大きな差が見られており、60歳代後半は35万円台、70歳代前半では30万円台、75歳以上は27万円台となっています。
理由はさまざまですが、一般的的には年齢が上がるにつれて支出が減っています。ただし実際には家庭の状況により差があるでしょう。
7. まとめにかえて
今回は、2025年度の公的年金と、年金生活者支援給付金についてまとめました。公的年金は物価上昇に合わせて一般的には上がっていきますが、年金額の上昇率が物価上昇率を下回るため、実質的には目減りしています。そのため、年金だけで生活することが厳しい世帯は増えていくかもしれません。
年金やその他の所得が少ないと感じる方は、国からの支援を受けられる可能性があります。まずはご自身が給付対象であるか確認してみましょう。
給付金施策があるとはいえ、このまま人口減、働き手の減少が続くと、物価も上がり、また将来に必要な資金も増える可能性が高いでしょう。
今の生活を維持することももちろん大切ですが、もし将来の生活が厳しくなるのは避けたい、と思う場合は、今のうちから老後資金の準備を始めておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果」
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2024」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」
横野 会由子