3. 【推移を確認】「日本の富裕層」世帯数と純金融資産は増えた？減った？
2005年から2023年にかけて、富裕層の数は着実に増加しています。
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移
出所：株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」（2025年2月13日）
富裕層および超富裕層の総資産額の推移は以下の通りです。
- 2005年：86万5000世帯・213兆円
- 2007年：90万3000世帯・254兆円（+4.4%・+19.2%）
- 2009年：84万5000世帯・195兆円（-6.4%・-23.2%）
- 2011年：81万世帯・188兆円（-4.1%・-3.6%）
- 2013年：100万7000世帯・241兆円（+24.3%・+28.2%）
- 2015年：121万7000世帯・272兆円（+20.9%・+12.9%）
- 2017年：126万7000世帯・299兆円（+4.1%・+9.9%）
- 2019年：132万7000世帯・333兆円（+4.7%・+11.4%）
- 2021年：148万5000世帯・364兆円（+11.9%・+9.3%）
- 2023年：165万3000世帯・469兆円（+11.3%・+28.8%）
賃金の伸び悩みや物価上昇によって生活が厳しいと感じる人が多い一方で、なぜ富裕層が増え続けているのか、その背景にはどのような理由があるのでしょうか。
4. 日本の富裕層が増え続けている「理由」には何がある？
資産形成のイメージ
出所：gopixa/istockphoto.com
それでは、日本で富裕層が増え続けている理由について見ていきましょう。
富裕層の増加にはさまざまな要因が考えられますが、今回は特に以下3つの背景に注目してみます。
4.1 1：国内外の株価上昇
ご存じの通り、米国の株式市場は長期にわたり堅調に推移しており、ダウ工業平均やS&P500などの主要株価指数は、波はありつつも全体としては上昇傾向にあります。
また、米国に限らず世界的にも株価が高い水準で推移してきたことも大きな要因といえるでしょう。
富裕層は一般の世帯に比べて株式の保有額や比率が高いため、こうした株高の恩恵を強く受けやすく、その結果として資産額の増加につながっています。
したがって、世界的な株高の動向は、富裕層の資産増加の最も大きな背景の一つと考えられます。
