3. 年金は増やせないの?具体的な老後資金の対策とは
2025年度の年金額は増えたものの、実質的には目減りしており、年金額をどうにか増やせないのかと考える人もいるでしょう。
年金を増やす方法はいくつかありますが、ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
3.1 付加年金に入る
付加年金は、国民年金のみの方の上乗せ制度です。
国民年金保険料に加えて毎月余分に400円支払うと、受け取れる金額が「200円×付加保険料納付月数」分増加します。
たとえば、60歳から65歳までの5年間入ったとすると、老齢基礎年金(国民年金)が年間1万2000円増やせます。
3.2 年金を繰り下げて受け取る
老齢年金は、原則65歳から受け取り可能です。
しかし、受け取る期間を66歳以降にずらすことで、受け取れる年金額を増やすことができます。
これを繰下げ受給といい、受け取れる年金額は1ヶ月ごとに0.7%増加します。
最大である75歳まで受給を延ばすと、年金額は84%まで増加するので、繰下げ受給をうまく活用すれば老後の計画も立てやすくなるでしょう。
ただし、年金を受給するまでの期間の生活費が別途必要になります。また、繰下げ受給が必ずしも得かは誰しもわかりません。
3.3 iDeCoやNISAを活用する
iDeCoと新NISAは税制優遇を受けられる制度です。
iDeCoは私的年金で、特徴は以下の通り。
- 掛金を全額所得控除できるので、所得税や住民税が安くなる
- 運用益に税金がかからない
- 年金および一時金で受け取る際に税制優遇を受けられる
2024年からはじまった新NISAの特徴は以下の通りです。
- 運用益が非課税になる
- 成長投資枠とつみたて投資枠を使い分けて長期的な資産形成が可能
いずれも年金額が直接増えるわけではありませんが、私的年金として備えたり、老後資金の備えとしても向いています。
年金額自体が増加するのもいいですが、iDeCoやNISAなどの制度をうまく活用して、老後に受け取るお金を増やすのもよいでしょう。
4. まとめにかえて
先ほどご紹介した以外にも、先取り貯金をする、長く働き続けて仕事による収入を得る期間を増やすなど、老後資金に備えることは可能です。
ただ、実際にどの方法が最適化は個人差があります。
メリットやデメリットを洗い出したうえで、ご自身がとれる選択肢を複数選び、老後に備えていくといいでしょう。
参考資料
宮野 茉莉子