はじめに
仕事中にふと眠気に襲われてしまうことがある方は多いのではないでしょうか。しかし眠いからといってうとうとしていると、作業が進まなかったり、周りからやる気がないと思われてしまったりと仕事に様々な支障が出てくる可能性があります。
では眠気を感じたときにはどうすれば良いのでしょうか?眠くなる原因を理解するのと共に、どうすれば眠気が覚めるのかという具体的な対処法を紹介していきます。
目次
1. 仕事中に眠気がくる原因にはどのようなものがあるのか
2. 昼食後の仕事中に眠気がくるという人が多発!それはなぜ?
3. 仕事中でも実践可能!息を止めて眠気を吹き飛ばそう
4. 体を動かして仕事中の眠気もすっきり解消
5. 仕事中でもできるツボ押しで眠気を吹き飛ばそう
6. 仕事中に眠気がおさまる食べ物や飲み物をとろう
7. 仕事中に眠気が続くのは病気の可能性もある?
1. 仕事中に眠気がくる原因にはどのようなものがあるのか
眠くなる主な原因は2つあります。
副交感神経
まずは副交感神経による眠気です。人間は自律神経のバランスを保つことによって体の機能をコントロールしています。自律神経には緊張しているときに働く交感神経と、休息するときに働く副交感神経があります。つまり人間が眠気を感じるときには副交感神経が優位に立っている状態なのです。
ではどんな時に副交感神経が優位に立つのかいうと、これにはいくつか理由があります。例えば寝不足や疲労によって体が「休まなければ」と思う時、満腹感を感じて覚醒ホルモンが抑制された時などです。仕事中に眠気を感じる原因というのは、実は人によって様々なのです。
体内時計
次に体内時計によるものです。これは太陽が出ている日中には目が覚め、日が沈んで夜になると眠くなるという自然のサイクルのことをいいます。その日にどれだけ疲れたのかということに左右されるのではないので、まだ日が昇らないうちから出勤をしたり、残業で夜遅くまで仕事をしていたりすると眠くなるのは、この体内時計が関係しています。
その他にも人口密度が多い部屋で換気をしないと二酸化炭素濃度が濃くなることで眠気が出たり、夜の睡眠の質が悪いことで昼間に眠気が出てしまったりなど、原因は様々です。自分がどれに該当するのかを見極めることが、改善させるための第一歩だといえるでしょう。
2. 昼食後の仕事中に眠気がくるという人が多発!それはなぜ?
午前中はなんともなかったのに、昼食を終えてからの午後の業務になると眠くなるという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?実はこういった現象が起こるのにはきちんと理由があったのです。
体のサイクル
人間が眠気を感じるピークは夜中の2~4時と、午後の2~4時の2回あります。そのため夜にはしっかり眠っているにもかかわらず、午後の仕事中に眠気を感じてしまうということがあってもおかしいことではないのです。
ホルモン
ホルモンによる影響で、食事をとるとオレキシンというホルモンの分泌が抑制されます。覚醒ホルモンと呼ばれるオレキシンが抑制されてしまうと、体がリラックス状態になるので副交感神経が優位に働き、眠くなりやすくなるのです。
糖質の摂りすぎ
昼食に丼ものやラーメン、パスタなどの「糖質が多い一点ものの食事」のみを食べると、血糖値が急激に上がり、その後急激に下がり、血糖値が急激に下がったタイミングで眠気に襲われることがあります。おかずの多い定食を食べるか、サラダなどの副菜も一緒に食べるようにすると血糖値の上がり方が緩やかになりますのでメニューを工夫してみましょう。
疲れ
午前中に仕事を頑張って疲労がたまると、回復させるために体が休むように指令を出します。そのためお昼になると眠気に襲われるようになるのです。
この4つが同時に襲ってくることもあるので、仕事に支障をきたさないようにするためにも、しっかり対策を行うことが大切です。
3. 仕事中でも実践可能!息を止めて眠気を吹き飛ばそう
体を休ませようと副交感神経が優位に立つと、気力だけで睡魔に勝とうとするのは難しいでしょう。だからといって仕事中に寝るわけにはいきませんし、ましてや会議中などの大事な場で寝るなどあってはならないことです。ではどうすれば眠気を吹き飛ばすことができるのでしょうか?
眠気をなくしたいのであれば、それを指示している脳に「体を休ませよう」という指令以外の命令を出させることがポイントです。そこで実践してほしいのが「息を止める」という方法です。
眠いと感じた時に息を止めるだけという簡単な対処法なのですが、呼吸を止めるというのは人間にとっては生命の危機も同然です。そのため脳も優先順位を変更させ、体を休めることよりも、酸素を取り入れることを最優先にするように指令を切り替えます。こうして脳の切り替えを行うだけで眠気を吹き飛ばす効果があるのです。
何の道具も必要としないので、会議中や作業中でも簡単に実践できます。しかし無理に息を止めていると周りの人から心配されてしまうので、ほどほどにすることを心がけましょう。
更に足の付け根や脇の下などに冷却シートを貼るなども、眠気を吹き飛ばすには効果的です。
4. 体を動かして仕事中の眠気もすっきり解消
デスクワークでほとんど移動しないような仕事だとどうしても眠気が強くなってしまいます。そうならないようにするためにも、できるかぎり体を動かすようにしましょう。体を動かせば交感神経が働きやすくなるので、副交感神経が優位に立って眠くなるのを防ぐことができます。では具体的にどのように体を動かせば良いのでしょうか?
外を散歩する
効果的なのは外を散歩するということです。日の光を浴びれば体内時計の働きで「まだ寝る時間ではない」と判断し、目を覚ましてくれます。また外の空気を吸うことで心身のリフレッシュになり、よりすっきり目覚めさせることができるでしょう。
とにかく歩く
しかし人によっては仕事中に散歩をすることができないという人もいますよね。そんな場合には無理に外に出ることにこだわる必要はありません。書類をコピーしに席を立つだけでも良いですし、飲み物を買いに近くの自販機まで行くだけでもかまいません。少しだけ席を立ってストレッチなどの軽い運動をするのも良いでしょう。
大切なのは同じ姿勢のままではなく、体を動かしてみるということです。どうしても席を立つ用がないという人は、トイレに行って手を洗ったり、顔を洗ってみたりすると良いでしょう。
5. 仕事中でもできるツボ押しで眠気を吹き飛ばそう
ツボを押すことで眠気がすっきりとする場合があります。会議中やオフィスワークなどのなかなか自分の席から離れられない人でも実践できるので、少し眠気を感じるようになったら積極的に実践してみましょう。
手のツボ
まずは手にあるツボです。中指の爪の生え際から少し下の部分にあるのが「中衝」というツボです。眠気はもちろんのこと、ストレス解消や集中力アップにも効果があるとされています。少し親指よりの位置をおさえることがポイントです。
もう1つが「合谷」といわれる親指と人差し指の付け根の間にあるツボです。ちょうど骨がクロスするくぼみの部分にあります。眠気の他にも頭痛や肩こりの解消などにも効果があります。
顔のツボ
次に顔にあるツボです。目が疲れたりすると、自然と目頭と鼻の付け根の部分をおさえる人も多いのではないでしょうか?実はその位置にあるツボが「睛明」と呼ばれる部分で、眠気だけではなく眼精疲労や鼻詰まりの解消にも効果が期待されます。
そして頭のてっぺんにあるのが「百会」と呼ばれるツボです。ここも眠気に効果があるのですが、肩こりや頭痛、肌荒れなどにも効果があります。
ツボ押しは仕事中でも簡単に行うことができるという良さがありますが、やりすぎると体にあざができてしまう場合があるので、力加減には注意をしましょう。
6. 仕事中に眠気がおさまる食べ物や飲み物をとろう
眠気を覚ましてくれる食べ物や飲み物も使用してみましょう。
ガム
ガムは口の中で噛み続けなければならないため顔の筋肉を使います。それが脳を刺激して覚醒してくれるため、眠気を覚ますことに繋がるのです。ガムの中にはキシリトール入りなどのすっきりとさせてくれる成分が入っているものもあるので、より眠気覚ましに効果的です。
もしもガムが苦手だという人は、グミやドライフルーツなど、あごを使うことを意識した食べ物にすれば同じような効果を得ることが期待できます。
コーヒー
コーヒーに含まれているカフェインには覚醒作用があり、眠気物質といわれるアデノシンの働きを抑制してくれます。そのためカフェインを摂取すれば仕事中の眠気も吹き飛ばすことができるだけではなく、集中力がアップして作業効率を上げることができるといわれています。
しかし飲みすぎると今度は覚醒状態がいつまでも持続してしまい、寝たいときに眠れなくなったりする可能性があるので、飲みすぎには注意をしましょう。
コーヒー以外にも紅茶や緑茶はカフェインが含まれているので同様の効果が期待できます。
チョコレート
チョコレートにはコーヒー同様にカフェインと、カフェインと同様に覚醒効果のあるテオブロミンという成分があります。テオブロミンはカカオのみに含まれる成分で、カフェインよりも覚醒効果は緩やかで長続きしやすい傾向があります。
また糖分を適度に摂ることで脳へ栄養が行きわたり、気持ちがリラックスして仕事にも好影響があります。
7. 仕事中に眠気が続くのは病気の可能性もある?
仕事中に眠くなるのは珍しいことではありませんし、眠気が覚めなくて苦しい思いをしたことがあるという人もたくさんいるでしょう。しかしそれが毎日だと仕事が思うように進まなかったり、眠気と戦わなければならず、仕事とは違うストレスがかかってしまいますよね。実は慢性的に続く眠気の中には、病気のサインになっているものもあるのです。どんな病気が考えられるのかいくつか紹介していきます。
ナルコレプシー
睡眠障害の一種ともいわれているナルコレプシーですが、これは普段十分な睡眠をとっているにもかかわらず強い眠気に襲われるというものです。寝ないようにと気を付けていても、突然倒れるように眠りについてしまうこともあります。このナルコレプシーは神経の異常によって起こると考えられています。眠気による症状に悩まされていると感じる時は、「ただ眠いだけ」と考えるのではなく、専門医を受診してみることも大切です。
自律神経の乱れ
毎日決まった時間に眠り、決まった時間に起きるということが習慣になっている人は、それを体が自然と覚えてくれています。しかし不規則な生活になってしまうと、いつ体が活動すれば良いのか、またいつ休息をとればいいのかが分からなくなってしまいます。これによって自律神経が乱れて様々な不調となってあらわれます。治すためには生活習慣を見直し、規則正しい生活を心がけることも大切です。
睡眠時無呼吸症候群
眠っている間に呼吸が止まってしまうという病気ですが、これによって深い眠りができなくなっている場合があります。しっかり寝たはずなのに日中に眠くなってしまうという人は、寝たつもりでいるだけで実はしっかり寝られていないとも考えられます。
自分では無呼吸に気づけない場合がほとんどなので、家族にチェックしてもらうなどしましょう。そして無呼吸の疑いがある場合は睡眠外来で診察を受け、改善させていくことが大切です。
おわりに
仕事中に眠気を感じるのには様々な原因があり、中には病気の可能性を秘めている場合もあります。仕事中の眠気に上手く対処していかないと、仕事の能率が下がり、残業が発生したり、ミスをしたりしてより疲れが溜まって眠気に繋がるなどの悪循環にもなりかねません。
仕事中の眠気は軽く考えるのではなく、どうすれば改善させることができるのかを考え、適切な対処をしましょう。眠気を感じた時の対処法の効果は人それぞれ異なるため、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。
LIMO編集部