人生100年時代と言われる世の中となり、長くなる老後生活で趣味に没頭する、家族の成長をより長く見守るなど、充実した日々を送っていきたいとお考えの方もいるでしょう。

長生きすること自体はすばらしいことですが、老後生活が長くなる分、人生で必要になるお金はより大きくなります。

老後の収入といえば年金。ご自身がどれくらいの年金を受け取れるのか確認したことはあるでしょうか。

自分の年金見込額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認ができます。

人それぞれ年金額は変わりますが、年金だけでの生活することが難しい場合は、長生きすることを想定して足りない分の貯蓄を事前に準備することが必要になります。

将来を考える上で年金収入がどれくらいになるのかを知っておくことは非常に重要なことです。本記事では、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の見方とチェックしておきたい11項目について解説していきます。

1. 「ねんきん定期便」とは?

厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均年金月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万7584円、厚生年金保険(第1号)14万6429円です。

ただし、実際の受給額は年金加入状況によりひとりひとり異なります。そこで活用したいのが「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」です。

「ねんきん定期便」とは、日本年金機構から毎年誕生月(誕生日が1日の人は前月)に送付される公的年金に関する大切なお知らせです。保険料納付の実績や年金見込額など、年金に関する情報が記載されています。

なお、ねんきん定期便は、年齢によって送付形式や内容が変わります。

  • すべての年齢:保険料納付額、年金加入期間
  • 50歳未満:月別状況(直近13月)、これまでの加入実績に応じた年金額
  • 50歳以上:月別状況(直近13月)、老齢年金の種類と見込額
  • 【封書】35歳、45歳:これまでの加入実績に応じた年金額、これまでの年金加入履歴、月別状況(全期間)
  • 【封書】59歳:老齢年金の種類と見込額、年金加入履歴、月別状況(全期間)

上記のように、ねんきん定期便で通知される項目は年齢により異なります。

50歳未満では「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載されていますが、50歳以降は「老齢年金の種類と見込額(※)」に変わる点が大きな違いです。

基本的な形式はハガキ型ですが、節目年齢の「35歳、45歳、59歳」の人には記載項目が多い「ねんきん定期便」が封書で送られます。

次では「50歳未満(35歳・45歳以外)」の人に送られるハガキ型のねんきん定期便について、見方を確認していきましょう。

※老齢年金の見込額:現在の年金加入制度に60歳まで継続して加入したと場合に、65歳から受給できる年金見込額