2025年3月4日、総務省は「2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2025年(令和7年)2月分(中旬速報値)」を公表しました。

資料によると、2月の生鮮食品を除く総合指数は前年同月比2.2%上昇で、108.5となりました。その中でも米類は前年同月比77.5%の値上がりとなり、5カ月連続で過去最大の上昇率となっています。

物価の上昇によって生活苦の方が増えていることで、年金受給世帯のシニアも「年金だけで生活ができない」という方もいることでしょう。

そこで今回は70歳代夫婦世帯の「年金額や貯蓄額」はいくらなのか深掘りをしていきます。

シニア世帯の1カ月の生活費についても解説をしていくので、参考にしていただけますと幸いです。

1. 年金収入だけで生活している高齢者世帯は全体の41.7%

厚生労働省が2024年7月に発表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」。保健・医療・福祉・年金・所得など、国民生活の基礎的な項目の統計データを知ることができます。

この調査の結果によると、年金収入だけで生活している高齢者世帯は全体の41.7%となっています。残りの約60%の世帯は、年金以外の何かしらの収入によって生活を賄っているのでしょう。

老齢年金を受け取っている世帯の半分以上が年金だけでは生活できていない現状が見えてきますね。

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

さらに、2024年におこなわれた「年金財政検証」では、現役世代が年金を受け取る頃には今よりも支給額が減る可能性が高いとの予測も示されました。

では、いったい今のシニア世代は毎月いくらの年金収入を得ているのでしょうか。

現役世代の方はまだ年金額を具体的にイメージできないという方も多いかもしれません。次章で厚生年金・国民年金の平均受給額を確認していきましょう。