値上げが続く昨今、買い物に行くたびに値上げを実感し、買うのをためらった経験がある人も多いのではないでしょうか。
帝国データバンクが2025年1月31日に発表した2024年2月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しによると、2月の値上げ食品は1656品目と、2カ月連続で前年を上回る結果になることがわかりました。
食品分野別に見てみると、冷凍食品やチルド麺製品など「加工食品」(589品目)が全食品分野で最も多いようです。忙しい毎日に、効率的に取り入れている人が増えている加工食品の値上げは、食費にダイレクトな影響を与えると考えられます。
節約志向が高まる一方で、生活費の増加は避けられない状況です。特に、定年後のシニア世帯では、収入が限られているため、物価の上昇が日々の生活に直接影響を及ぼします。
少しでも支出を抑える工夫が求められる中で、年金だけで生活している家庭の実態を知ることは、老後の備えを考える上で参考になるかもしれません。
そこで今回は、65歳以上の無職世帯を取り上げ、年金や生活費の現状をわかりやすくご紹介します。
1. 65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額はいくらか?…答えは約2500万円
老後生活にまず欠かせないのが、現役時代から積み立てた「貯蓄」です。
老後を迎えるにあたっては、年金だけでは不足する生活費の補填はもちろん、家具や家電の買い替え、マイホームのリフォーム、万が一の病気や介護費用なども考慮をし、ある程度まとまった貯蓄を保有しておきたいものです。
現役引退後に有利な条件で金融機関からお金を借り入れることができないのが、老後の最大の問題点です。
1.1 総務省「家計調査」で見る、65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額(平均値と中央値)
ここからは総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」(2024年5月17日公表)を参考に、世帯主が65歳以上の貯蓄を見ていきましょう。
上記によると、「世帯主が65歳以上の二人以上世帯」の貯蓄現在高は次のとおりです。
- 平均値:2462万円
- 貯蓄保有世帯の中央値:1604万円
一般的な年金受給開始年齢は65歳からですから、65歳以降を老後と考えると、その世帯の平均的な貯蓄額は2462万円。
ただし、「平均」は一部の多くの貯蓄をしている人、たとえば富裕層の影響を受けやすいという特徴があります。
そこで、平均ではなく中央値を見て行きましょう。
中央値になると金額は1604万円まで下がりました。こうなると、読者の方も平均値よりも手触り感があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
1.2 総務省「家計調査」で見る、65歳以上・無職世帯(二人以上の世帯)の平均貯蓄額
次に65歳以上・無職世帯(二人以上の世帯)の平均貯蓄額を確認しましょう。
65歳以上で無職の二人以上世帯の平均貯蓄額は2504万円となっており、先程の65歳以上全体よりも若干ですが高くなっています。
貯蓄の内訳をみると通貨性預貯金754万円、定期性預貯金846万円、有価証券480万円、生命保険などが413万円などとなっています。
日本の特徴といってよいかもしれませんし、年齢的にリスクを取った運用が難しいということかもしれませんが、いわゆる預貯金中心の資産構成になっているといえるでしょう。
一方で、預貯金が多いと現在のようなインフレ環境には苦しい資産構成ともいえます。