避けられない職場での陰口。対処の秘訣は?

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はじめに

人が集まるところ陰口はつきもの。職場でもそれは変わりません。自分に対する陰口を耳にした時に、怒ったり落ち込んだりしてしまうのは当然のことですが、陰口を言った人を探そうとしたり、周囲の人に対して、陰口の内容をいちいち否定して回ろうとする行為は、実体のない敵に向って行くようなものであり、賢いやりかたとはいえません。

この記事では、なぜ陰口が起こるのか、また陰口を言われたときの対処法はどうしたらよいのか、といったことについて説明します。

目次

1. 陰口が起こりやすい時と場面
2. 陰口を言う人の心理とは?
3. 陰口は女性特有のもの?
4. こんなときどうする?陰口を話しているところに遭遇したら
5. 陰口を言われやすい人の特徴とは
6. 自分が陰口の対象になっていたときは
7. 陰口は気にしないことが一番!

1. 陰口が起こりやすい時と場面

陰口と語感がよく似ている言葉に「愚痴」があります。ただ、愚痴は上手くいかない状況に対して不平不満を言うことであるのに対し、陰口は個人をターゲットにして、その人の嫌なことや悪口、噂話を陰でコソコソ話すことを指します。つまり、愚痴に比べて、陰口は、少々悪質な側面を持っているということがいえます。

複数の人間が集まる場所であれば、たとえ、職場であっても陰口は起こり得ます。とはいえ、仕事をしている最中に陰口をたたくという人はあまりいません。どちらかというと職場の陰口が起こりやすいのは、休憩時間や飲み会など、仕事から少し離れた場面が多いのではないでしょうか。つまり、誰しも陰口はマナー違反であるという意識が少なからずあるため、仕事から少し離れて気が緩んだタイミングで飛び出してくる、というケースが多いのかもしれません。

なお、陰口というと、言うほうも言われるほうも同じ立場というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、職場の陰口の相手は同僚や新人、上司など多岐に渡ります。また、陰口はその人に対する不平不満を言いたい、ということよりも、陰で他人をネタにコソコソ話をすること自体が目的になっているケースも少なくありません。このため、ついさっきまで一緒に別の人の陰口を言い合っていた相手といえども、いなくなった途端に、その人を次のターゲットにして陰口が始まる・・・ということも往々にしてあるのです。

2. 陰口を言う人の心理とは?

「陰で悪口を言う人」だと思われると周囲からの評価は下がります。また陰口を言ったことが本人にバレた場合、トラブルになることもあります。それなのに、なぜそのようなリスクを冒してでも、人は陰口をたたいてしまうのでしょうか。その心理について少し考えてみましょう。

陰口の理由は様々ですが、その裏には強い嫉妬心が隠れていることが多いといわれています。どんな人でも、自分よりも能力が高い相手を見ると、多かれ少なかれ、妬ましい、羨ましいという気持ちが湧いてくるものです。その嫉妬心を自分の成長の糧にすることができればいいのでしょうが、どんなに努力をしても、自分が相手の域に達することができないということもあります。そんなとき、多くの人は、自分が努力して上に行くのではなく、悪口を言うことで相手を下げようと考えてしまうのです。先ほど、職場の陰口は能力や立場に関係なく起こるということを述べましたが、これは陰口を言うほうの勝手な嫉妬心が原因といえます。

また、個人の心理ではなく、労働環境が陰口を誘発しているケースもあります。一般的に、労働環境が悪くストレスの多い職場は、陰口が多くなる傾向にあるといわれています。というのも、労働者のストレスがたまると心に余裕がなくなり、お互いを思いやることができなくなって、職場の人間関係がもつれる、摩擦が起こりやすくなるという事態が起こってしまうからです。こうなると、ストレスの多い職場が陰口を誘発し、その陰口がまたストレスを生む、という悪循環に陥り、職場全体がギスギスした空気に包まれてしまうということも珍しくありません。

3. 陰口は女性特有のもの?

陰口は女性特有のもの、と考えている人は多いのではないでしょうか。たしかに、女性が多い職場になると、休憩時間の度に誰かの陰口で盛り上がっている、という光景をよく目にすることがあります。

男性から見ると、「女性とはなんと恐ろしい生き物なのか」と感じるかもしれませんが、多くの場合、女性同士のコミュニケーションの手段でしかないことがほとんどです。というのも、女性は人とのつながりを大事にする傾向があるため、会話によって人と仲良くなろうとするからです。つまり、いろいろな価値観を持つ人間が集まっている職場で手っ取り早く仲間意識を作るために、敢えて「共通の嫌いな人」を探り出しているにすぎないのです。

このような事情から、女性のコミュニティで陰口が起こりやすいのは確かなのですが、だからといって男性が陰口を全く言わないということはありません。男性も、人の陰口をたたくことはあります。ただし、陰口が起こる理由は、女性のそれとは少々異なることが多いようです。

縦社会で生きているという意識の強い男性は、常に出世争いに晒されています。なかには「出世に興味はない」という男性もいますが、心のどこかで意識しているということも多いものです。出世するには自分が誰よりも上にいくことが一番ですが、それ以外にも、ライバルを蹴落とすという方法があります。つまり陰口を言い、相手の悪い評判を広めることで自分が優位に立とう、という意識が働いているのです。

陰口は、このように動機は違えど、性別・年齢関係なく起こるものなのです。

4. こんなときどうする?陰口を話しているところに遭遇したら

例えば、休憩中などに、同僚が誰かの陰口をたたいている場面に遭遇してしまった、というときはどうしたらいいのでしょうか。陰口は、あまり褒められたことではありませんが、だからといって、正義感に任せて「そんなことを言ってはいけない!」と注意をしてしまうと、その後の人間関係が悪くなってしまうかもしれません。そんなときの対処法について考えてみましょう。

まず大切なのは、同調しないということです。そもそも陰口は、社会人としてマナーに違反しています。一緒になって言ってしまうと、自分の価値を下げることになってしまいます。また、陰口に参加したことで、「あの人も言っていた。」と言いふらされてしまう可能性もあります。極論をいえば、「人の陰口を言ったのだから、自分が言われても仕方がないよね。」ということで、次は自分がターゲットになる可能性もあります。

まずは、陰口を言っている場面に遭遇しても、同調ととられることや余計なことは、絶対に口にしないように気を付けましょう。なお、一番理想的な対処方法としては、肯定も否定もせず、さっさと話を切り上げて、その場から立ち去ることです。こうすることで、不快なことを聞かずに済みますし、後で本人に陰口がばれてしまった時のトラブルに巻き込まれる心配もありません。

なお、陰口を言っている人が上司や先輩など、即座に話を切り上げることが難しい相手のときもあります。そんなときは、できるだけその場の話を聞き流すようにしましょう。話を聞く際は、「そうなんですか。」「ふうん。」など、肯定とも否定ともとれないような適当な相槌を打つにとどめ、会話に意識を集中させないようにするのが効果的です。また、しっかりと目を見て反応するよりも、感じが悪くならない程度に、俯き加減に話を聞くことで、何となく乗り気ではないという雰囲気を醸し出すことも有効かもしれません。

職場に日常的に陰口を好んで言うようなグループがあった場合は、できるだけ近づかないようにしておくことも大切です。また、そういったグループの面々と、休憩中や仕事終わりに鉢合わせしやすい場所と時間を予め把握しておくようにすると、うっかり陰口の現場に遭遇してしまうことを回避できます。

5. 陰口を言われやすい人の特徴とは

実際に、陰口を言われやすい人は存在します。特徴としては、おどおどしている、言いかえすことができないなどその人のネガティブな要素がある人が多いようですが、一方で、逆にポジティブな面が陰口を言われる原因になっている人もいます。

例えば、人気者や個性的な人など、目立つ存在は周囲からあることないことを言われてしまう傾向があります。芸能人を例に考えると分かりやすいと思いますが、目立てばそれだけ話題にされる機会が増えるということです。一方で、普段目立たなかったけれど、業績を上げるなどして急に注目されたことで、いきなり陰口の対象になってしまうこともあるのです。

また、嫉妬されやすい人も陰口を言われやすい存在といえます。例えば、単純に容姿が整っている、仕事ができる、裕福など、他人から羨望のまなざしで見られることが多い人はそれだけで妬みの対象となります。また、幸せそうに見える、やりたいことをやっているように見えるなど、陰口を言われている本人が自覚しづらい理由から、その対象となっていることもあります。

また、立場が上の役職についており、多くの人と関わる、指導するといった人も、陰口の対象になりやすい傾向があります。これは、その人を知っている人が多いということで共通の話題にしやすいからです。また、立場が上になると、いろいろなことを期待されるようになります。このため、その期待に応えてもらえなかった人の中には「どうして私の要求を満たしてくれないのか」と理不尽な怒りをぶつける人もでてきてしまうのです。

6. 自分が陰口の対象になっていたときは

では、自分が職場で陰口を言われていると分かったときは、どう行動したらよいのでしょうか。あまり関わりのない相手ならともかく、自分が信頼している相手や、今後も仕事で密に関わっていかなくてはならない相手が自分の陰口を言っていた、とわかったときは、特に慎重に行動しなくてはいけません。というのも、今後の生活において、その相手を避けて通ることは難しく、対処を間違えると関係が気まずくなってしまう可能性もあるからです。

考えられる方法のひとつとしては、思い切って直接聞くというものが挙げられます。陰口は、大抵、言った本人ではなく、別の人を介して伝わってくるものです。人の口を介しているうちに、ちょっとした愚痴が「陰口を言っていた。」という話になってしまったのかもしれません。ですから、きちんと真偽を確かめることも時には必要なのです。

また、自分に責任があるかもしれない、と振り返ることも大切です。信頼している相手が思わず口にしたことです。気付かないうちに相手に不快な思いをさせていたのかもしれません。確かに陰口は褒められたことではありませんが、相手も悩んだ末に陰口として外に出してしまったのかもしれません。相手との関係を良くしたいのであれば、こちらから折れてみることも1つの手段といえるでしょう。

職場に限らず、人間関係が一度こじれると修復するのは至難の業です。陰口を言われて腹が立つ気持ちもあるかもしれませんが、先に謝るという大人の対応をするのも、処世術と言えるのではないでしょうか。

7. 陰口は気にしないことが一番!

自分に責任がなく、身勝手な陰口が聞こえてくることも職場ではよくあります。そんなときは気にしないことが一番です。「つまらないことを言っているな」くらいの気持ちで相手を見て、あとは忘れてしまいましょう。陰口を言ってくる相手よりも、そんな相手を躱すことができる自分の方がずっと大人だ、と思えば気持ちも楽になるはずです。身勝手な悪口に流されて「自分が悪いのでは」と思う必要はありません。

また、周りを味方につけるのも有効な手段かもしれません。そもそも陰口が多い人は人望がないことが多いものです。陰口を言っている人以外の人と良好な関係を築くことの方がよほど大切です。

全ての人から好かれることは不可能だと自覚することも大切です。みんなと仲良したいという気持ちはよいことですが、職場には育った環境も価値観も違う、多様な人達が集まるところです。その中でみんなから好かれることはまず不可能でしょう。「仲良くなれない人もいる」ということを認識し、その人からは距離を置いておけばいいのです。

陰口は相手を不快にさせるマナー違反の行為です。言われて腹が立つのは当然ですが、仕返しに陰口を言い返せば、相手と同じ土俵に立ってしまうことになり、結果的には自分自身の価値を下げることになってしまいます。相手が勝手に言っているだけで、何も悪いことはしていないのですから、堂々としているのが一番、と笑顔で過ごすことが大切なのかもしれません。

おわりに

他人が陰口を言っている場面を見ると気分が悪いですし、その陰口が自分に向っているとわかれば傷付き落ち込んでしまうものです。しかし結局は聞かなかったことにして受け流すのが一番の対処法といえるでしょう。くれぐれも陰口を言う側に回り、自分の価値を下げることのないよう、気をつけたいものです。

LIMO編集部

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LIMO編集部は、個人投資家向け金融経済メディアであるLongine(ロンジン)の執筆者である国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーやビジネス系インターネットメディアでの運営経験者等を中心に立ち上げ。その後Longineのサービスは2020年3月に終了となったが、Longine編集部のメンバーは引き続きLIMO編集部のメンバーとして在籍し、お金のプロとしてコンテンツ編集や情報を発信しています。LIMO編集部は、証券・金融業務メンバーに業界紙出身の新聞記者などもメンバーに加え、国内のみならずグローバルの視点から、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報をわかりやすくお届けします。