3. ラスパイレス指数は高いといけないのか

公務員

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ラスパイレス指数は、100を上回ると国家公務員の一般行政職の給料よりも高い給料を受け取っていることを示します。しかし、地方公務員の給料は人事院勧告や国家公務員・民間企業の給料を考慮して決めています。そのため、指数が高すぎる場合は、是正の余地があるでしょう。

ただし、ラスパイレス指数は地方公務員の行政職と国家公務員のキャリア官僚や特別職を除いた行政職の給料を比較したものです。地方公務員の行政職は管理職も含めたすべての行政職に該当する人の給料を対象としていますが、国家公務員は事務次官や局長など一部の管理職の給料は比較対象外となっています。

よって、管理職への登用に積極的な自治体や、実績・能力主義による人事評価をしている自治体は、平均給料が増えラスパイレス指数が高めになりがちなのです。

ラスパイレス指数は、本来は一概に比較できない国家公務員と地方公務員の給料を、できる限り同水準に近づけて簡易的に比較するための数値であり、あくまで目安の一つです。

指数の高い芦屋市や大山崎町では、指数が極端に高くならないよう、給与の削減や人件費削減に取り組んでいると公表しています。適切な給料水準が求められるのは確かですが、ラスパイレス指数の仕組みを見ると「数値が高いから是正しなければならない」とは決していい切れないでしょう。

4. まとめ

地方公務員のラスパイレス指数上位はいずれも100を上回っています。とくに高い自治体では、数字がさらに増えないよう対策を取っているところもあるようです。

とはいえ、地方と国とでは財政運営や制度運用の仕方が異なります。あくまで給料の目安の一つとして捉えておくとよいでしょう。

参考資料

石上 ユウキ