2. 世代別の住民税非課税世帯の割合
厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」によると、各年齢層の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)は以下のとおりでした。
- 30歳代:12.0%
- 40歳代:10.0%
- 50歳代:13.6%
- 60歳代:21.7%
- 70歳代:35.9%
- 80歳代:52.5%
40歳以降は、年代が高くなるほど住民税非課税世帯の割合が上昇していることがわかります。つまり、今回行われる3万円給付の多くは、年金を受給している高齢者世帯になると考えられます。
一般的に高齢になるほど所得が減少しますが、高齢者世帯は豊富な金融資産を持っているケースが少なくありません。
実際に総務省統計局の資料によると、65歳以上世帯の平均貯蓄額は2462万円でした(中央値は1604万円)。
本来であれば支給する必要のない世帯にまで給付金が支給される可能性があり、「本当に必要な給付事業なのか」という疑問が出ているのも確かです。
生活が苦しい世帯への支援は必要とはいえ、「真面目に働いて納税している層が損をする」という構図は健全とはいえません。物価高の影響はどの世帯も受けているため、3万円給付に対して不公平感を感じる人がいるのも無理はないでしょう。
また、2024年度に新たに住民税非課税世帯に該当した世帯に対して、10万円の給付金が支給されています。給付金が繰り返される中で、根本的な問題解決にはつながっていない、という指摘もあります。