4. 「厚生年金と国民年金」はいくら?働き方別のモデルケースも確認

毎年見直しが行われる公的年金額ですが、2025年度の年金額は物価上昇を反映し、2024年度から1.9%の増額となります。

本章では、厚生労働省が公表している2025年度の年金額の例を見ていきましょう。

4.1 2025年度の年金額例をチェック

2025年度の年金額の例

2024年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)):月額6万9308円(1人分※1)
  • 厚生年金:月額23万2784円(夫婦2人分※)

※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。

※2男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

国民年金は、40年間、全ての保険料を納付した場合に支給される満額(月額)です。

厚生年金は以下を想定したモデル年金額で「夫と妻の国民年金(満額)+夫の厚生年金」の合計額となります。

  • 夫:40年間会社員として平均で月額45万5000円(年収546万円)で働いた
  • 妻:40年間専業主婦(もしくは自営業など)だった

近年、共働き世帯や単身世帯が増加している中で、「自分たちの場合はどうなるのか」と疑問を抱く人も多いでしょう。

そのため、厚生労働省は世帯の働き方や収入パターンに応じた年金額例を複数紹介しています(※2024年度の数値に基づく試算結果)。

4.2 【世帯別】働き方や収入パターン別の年金額例を一覧で確認

単身世帯の年金額例

  • 報酬54万9000円:18万6104円
  • 報酬43万9000円:16万2483円
  • 報酬32万9000円:13万8862円
  • 報酬37万4000円:14万8617円
  • 報酬30万000円:13万2494円
  • 報酬22万5000円:11万6370円
  • 報酬14万2000円:9万8484円

夫婦世帯の年金額例

  • 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
  • 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
  • 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
  • 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
  • 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
  • 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
  • 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
  • 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円
  • 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
  • 夫が報酬32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
  • 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
  • 妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
  • 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円

これらはあくまで参考としての年金額例であり、実際に受け取る年金額は個々の状況によって異なるため、ご自身の年金記録を確認することが重要です。

具体的には、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、正確なご自身の年金見込み額を把握するようにしましょう。

5. まとめにかえて

65歳以上の夫婦世帯のリアルな生活実態が少しイメージできたのではないでしょうか。

しかし、当然ながら生活に必要な資金額は人それぞれです。平均額にとらわれず、自分だったらどれくらい必要になるのかをしっかりと把握したうえで準備を始めるのが望ましいでしょう。

近年、物価もどんどん上昇しています。こうした状況も踏まえ、余裕を持った準備をしておくに越したことはないでしょう。

参考資料

荻野 樹