「SUBARUの年収は実際どれくらいなのか?」「自動車業界で働くと、どんな待遇が得られるのか」と気になっていませんか?
SUBARU株式会社(提出会社単体)の平均年間給与は764万3520円となっており、前事業年度から4.6%上昇しています。
ただし、この背景には、業績が急速に悪化するなかでの処遇改善という、同社特有の事情があります。
本記事では、有価証券報告書のデータをもとに、平均年収の実態から連結3万7542名のセグメント別従業員数、急減速した業績推移まで詳しく解説します。
この記事を読めば、SUBARUのリアルな処遇水準と経営課題が明確になり、企業研究やキャリア選択、投資判断の材料が得られます。
- 平均年収764万3520円、前年比4.6%増:平均年齢40.0歳・平均勤続15.7年で推移。男女別では男性777万1794円・女性622万6646円という開示区分ごとの実態も明らかになっている。
- 単体1万7948名・連結3万7542名のセグメント別内訳:主力の「自動車」セグメントに人員の大半が集中する一方、「航空宇宙」にも一定規模の人員を配置する事業構造がうかがえる。
- 業績は2024年3月期をピークに急減速:税引前利益・当期利益とも2期連続の大幅減益となり、米国関税等の影響を踏まえた新方針「SUBARU2025方針」のもとコスト改革が進む。
1. SUBARUの平均年間給与はいくらか
SUBARU株式会社(提出会社単体)の2026年3月31日時点での平均年間給与は764万3520円となっています。
前事業年度からは4.6%の増加となりました。
また、従業員の平均年齢は40.0歳、平均勤続年数は15.7年となっています。
男女別にみると、男性の平均年間給与は777万1794円(1万6458名、平均年齢40.3歳、平均勤続15.8年)、女性は622万6646円(1490名、平均年齢37.3歳、平均勤続14.3年)となっており、開示区分ごとに水準が異なります。
2026年の春季労使交渉では、1人あたり最大5万100円の賃金改善が決定されたほか、賞与は年間5.4カ月分とされました。
あわせて「次世代報酬プロジェクト」として報酬制度そのものの改革も進められており、一部手当の本給化などを通じて報酬競争力の強化が図られています。
2. SUBARUの従業員数は何人か
有価証券報告書によると、提出会社(単体)の従業員数は2026年3月31日時点で1万7948名です(臨時雇用者数は年間の平均人員として6411名〔外数〕)。
単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- 自動車:1万5757名〔臨時5670名〕
- 航空宇宙:2191名〔臨時741名〕
また、連結の従業員数は3万7542名(臨時8953名〔外数〕)です。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- 自動車:3万4404名〔臨時7655名〕
- 航空宇宙:2836名〔臨時899名〕
- その他:302名〔臨時399名〕
単体・連結いずれも、自動車ならびにその部品の製造・販売・修理を担う「自動車」セグメントに人員の大半が集中しています。
一方、航空機や宇宙関連機器の製造・販売・修理を手がける「航空宇宙」セグメントにも、単体で2191名、連結で2836名と一定規模の人員が配置されており、自動車専業メーカーとは異なる事業構造がうかがえます。
3. 過去5年間の業績推移
SUBARU(連結)の業績推移についても見ておきましょう。
売上収益は、2022年3月期の2兆7445億2000万円から増加を続け、2024年3月期には4兆7029億4700万円となりました。
2025年3月期にはいったん4兆6857億6300万円へと小幅な減収となったものの、2026年3月期には4兆7849億6500万円と、5年間で最も高い水準まで回復しています。
一方、国際会計基準(IFRS)に基づく税引前利益は、2024年3月期の5325億7400万円をピークに2期連続で大幅な減益となり、2026年3月期には1074億6900万円まで落ち込みました。
これは、5年間で最も低かった2022年3月期(1069億7200万円)とほぼ並ぶ水準です。
親会社の所有者に帰属する当期利益も同様の推移をたどっており、2024年3月期の3850億8400万円から2026年3月期には908億4200万円まで縮小しています。
4. 新経営方針「SUBARU2025方針」と収益改善に向けた取り組み
米国の関税政策の影響等を受けた業績悪化を踏まえ、SUBARUは2025年11月に新たな経営方針「SUBARU2025方針」を発表しました。
柱となるのは、2030年までに2000億円規模のコスト低減を目指す全社プロジェクト「原価維新20-30」です。
また、従来1.5兆円としていた電動化投資のうち、未着手だった1.2兆円分については内容を精査し、BEV(電気自動車)以外の次世代エンジン開発やHEV生産能力の増強にも柔軟に振り向ける方針です。
こうした収益改善に向けた取り組みが、今後の業績回復にどうつながっていくかが注目されます。
5. まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。
金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。
こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。
5.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、基準外賃金および賞与を含んでいます。また、従業員数は就業人員数であり、執行役員(専務および常務を含む)は従業員数に含まれていません。
5.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
6. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
有価証券報告書に示された「平均年収764万3520円」という数字は、自動車業界のなかでも堅実な水準といえますが、ファイナンシャルプランニング(FP)の視点からは、この平均値が提出会社単体(1万7948名)という比較的大きな母集団の平均であり、男女間で777万1794円・622万6646円という差が生じている点にも留意する必要があります。就職・転職活動においては、平均年収という単一の数字だけでなく、配属される可能性のある事業(自動車・航空宇宙)や、平均勤続年数15.7年という長期雇用を前提とした賃金カーブまで踏まえたうえで、現実的なライフプランを描くことをお勧めします。
一方、投資家目線から同社の経営指標を分析すると、足元では厳しい状況が浮き彫りになっています。税引前利益は2024年3月期の5325億7400万円をピークに2期連続で大幅な減益となり、2026年3月期には1074億6900万円まで落ち込みました。SUBARUは輸出の多くを北米市場に依存する事業構造をとっており、こうした収益悪化の背景には米国の関税政策による影響が大きいとみられます。新たに始動した「SUBARU2025方針」のもとでのコスト構造改革や投資計画の見直しが、実際の収益改善にどうつながっていくかが、今後の株価動向を占ううえでの注目点となりそうです。
新NISAなどを活用して同社株式への長期投資を検討する際は、単年度の減益だけで判断するのではなく、コスト構造改革の進捗や、電動化投資の再編が中長期的な収益力の回復にどうつながるかを継続的に確認することが重要です。
参考資料
- SUBARU株式会社「有価証券報告書(第95期)(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)」
- SUBARU株式会社「SUBARU 2025方針」(2025年11月10日)
- 日本取引所グループ「3-2.上場会社とは②~上場会社の情報開示~」
マネー編集部年収班
