この記事では、某商社ニューヨーク本店に勤務するビジネス書大好き人間が、日々通う書店のビジネス書コーナーで感じたことをお話ししていきます。

8月になり、夏休みに思い切って海外旅行をするという方も多いのではないでしょうか。もしあなたがNYに行こうと考えているのなら、ぜひセントラルパークをお勧めしたいですね。せっかくの海外旅行は、休む暇なくいろいろなところに観光に行きがちですが、NYは真夏です。暑さで熱中症にでもなってしまえば元も子もありません。自然いっぱいのセントラルパークでのんびり過ごすことも悪くはありませんよ。

それでは、7月のランキングを見ていきましょう。

バーンズ&ノーブル(BARNES & NOBLE)の7月のビジネス書売れ筋ランキング

※ 順位/タイトル/邦題(翻訳書がないものは独自に訳した仮題)/著者

1.Outliers: The Story of Success/(邦題)天才! 成功する人々の法則(講談社)/著:マルコム・グラッドウェル

2.Think and Grow Rich/(邦題)思考は現実化する(きこ書房)/著:ナポレオン・ヒル

3.The Art & Science of Respect/(仮題)「尊敬」の理論と実践/著:ジェイムス・プリンス/ジャスミン・D・ウォーターズ

4.How to Win Friends and Influence People/(邦題)人を動かす(創元社)/著:デール・カーネギー

5.Grit: The Power of Passion and Perseverance/(邦題)やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける(ダイヤモンド社)/著:アンジェラ・ダックワース

6.Freakonomics: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything/(邦題)ヤバい経済学 悪ガキ教授が世の裏側を探検する(東洋経済新報社)/著:スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー

7.Emotional Intelligence 2.0/(仮題)心の知能指数2.0/著:トラヴィス・ブラッドベリー/ジーン・グリーブス/序文:パトリック・M・レンシオーニ

8.The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference/(邦題)ティッピング・ポイント いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか(飛鳥新社)/著:マルコム・グラッドウェル

9.The 7 Habits of Highly Effective Teens/(邦題)7つの習慣 ティーンズ(キングベアー出版)/著:シーン・コビー

10.Shoe Dog: A Memoir by the Creator of Nike/(邦題)SHOE DOG(東洋経済新報社)/著:フィル・ナイト

人気ビジネス書作家のロングセラー

まず紹介するのは、2カ月連続でトップ10入りし、今月1位となった『Outliers』です。著者のマルコム・グラッドウェルは、多くのベストセラーを世に送り出した、アメリカ人気ナンバーワンといっても過言ではないビジネス書作家です。

本書では、スティーブ・ジョブズや一流プロスポーツ選手など、さまざまな例から天才の法則を紐解いていきます。今では有名になった「1万時間の法則」もマルコム・グラッドウェルが提唱し始めた考え方だといわれています。本書を読めば、いまからでも天才に近づくことができるかも知れません。日本では『天才! 成功する人々の法則』というタイトルで刊行されています。なお今月は彼の別の著作『The Tipping Point』も8位にランクインしています。

風変わりな起業家の成功法則と、EQの高め方

次に紹介するのは、7月に出たばかりの新刊『The Art & Science of Respect』です。著者であり、起業家でもあるジェイムス・プリンスがいかにして成功を収めてきたかが書かれた一冊となっています。レコード会社での代表やボクシングのPRなど、業種にこだわらずに多くの結果を残してきた著者の秘密が詰まっています。起業を考える方にはぜひお勧めです。

最後に紹介するのは、7位にランクインした『Emotional Intelligence 2.0』です。自分や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能をあらわすEQ(心の知能指数)をいかに高めるかについて書かれている一冊。日本でも『EQ こころの知能指数』というタイトルでベストセラーとなったダニエル・ゴールマンの本『Emotional Intelligence』がありましたが、こちらはそれとは別の著者によるもの。朝の通勤ラッシュ、上司からの理不尽な説教、家庭内でのいざこざなど、日常には多くのストレスがありますよね。また、日本人は遺伝子レベルでストレスに弱い傾向があることもわかっています。本書は、日ごろから多くのストレスを抱えている方々の救世主となるかもしれません。

まとめにかえて

今回のランキングは、数ある名著を差し置いて、マルコム・グラッドウェルの作品が2つランクインしています。あらためてこういったロングセラー作品に触れてみると、何か発見があるかもしれませんね。次回は、どんな本がランクインするのでしょうか。

それでは、次回のランキングをお楽しみに!

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