4. 資産運用を検討するなら「分散投資」がポイント
これまで、70歳代の貯蓄額と公的年金の受給額について確認してきましたが、2000万円以上の金融資産を保有している世帯は、70歳代の中でも半数以下に留まっています。
物価上昇や少子高齢化が進む中、公的年金だけでの生活は難しく、老後資金は自助努力で備える必要があるといえます。幸い、近年はNISAやiDeCoといった制度が充実し、SNS等の影響もあってか、現役世代やシニア世代でも資産運用に関心を持つ方が増えています。
筆者がNISAやiDeCoの活用方法を説明する際、特に強調しているのが「分散投資」です。
運用商品にはリスクが伴い、投資するタイミングによっては元本割れもあり得るため、異なるリスク特性を持つ商品に分散して投資することが大切です。たとえば、株式や投資信託、債券といった商品に分散することでリスクを抑え、安定した運用を目指すことができます。
また、資産配分についての質問も多く寄せられますが、配分は年代やリスク許容度に応じて異なります。自身の状況やリスク許容度に応じた資産配分を考えることが、運用を成功させるためのポイントです。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
入慶田本 朝飛