2024年10月27日に実施された第50回衆議院議員選挙では、年金制度を含む社会保障制度が各政党で論点となりました。
年金や医療制度だけではなく、給付金なども論点に交えられ、公的年金制度を含めた日本の社会保障の注目度は高まるばかりです。
今回は、実際に支給されている「国民年金と厚生年金保険」や「年金生活者支援給付金」の年代別平均額を確認していきたいと思います。
1. 【日本の年金制度を知る】厚生年金と国民年金の仕組み
はじめに、日本の年金制度の基本的な仕組みを押さえておきます。
日本の年金制度は「国民皆年金」です。
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は全員加入が義務付けられています。
1.1 年金制度の「1階」部分は国民年金
年金制度の1階にあたる国民年金には、原則として日本に住む20歳以上60歳未満の全員が加入します。
- 第1号被保険者:学生や自営業者が該当します。自分で保険料を払います。
- 第2号被保険者:会社員や公務員が該当。厚生年金に加入しており、保険料は給料から天引きされます。
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者が該当します。個別に保険料を払う必要はありません。第2号被保険者が加入する厚生年金制度がカバーしてくれます。
第1号被保険者が納める保険料は2024年度の水準で月額1万6980円と決まっており、誰もが一律です。
受給額は「納付月数」で決まり、40年間きっちり納めた場合の2024年度の満額は月額6万8000円。毎年変動しますが、およそ6万円台となっています。
第2号被保険者は後述する「厚生年金保険料」として支払います。
第3号被保険者は保険料の納付義務がありません。
1.2 年金制度の「2階」部分は厚生年金保険
2階部分にあたる厚生年金保険には、公務員やサラリーマン等が国民年金に加えて加入します。
- 第1号厚生年金被保険者:会社員等
- 第2号厚生年金被保険者:国家公務員共済組合の組合員
- 第3号厚生年金被保険者:地方公務員共済組合の組合員
- 第4号厚生年金被保険者:私立学校教職員共済制度の加入者
保険料は毎月の給与やボーナスに応じて決まりますが、上限があります。
つまり、高収入だった方ほど年金額が高くなる傾向にあると整理できます。
ここまでみてきた「国民年金」「厚生年金保険」では、受け取れる年金として、それぞれ「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」があります。
つづいて、厚生労働省が発表したデータをもとに、「老齢年金」平均月額がどれくらいか見ていきましょう。