1. 日経平均株価は米株安や持ち高調整などを受けて反落
2024年10月25日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比229円37銭安の3万7913円92銭となりました。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が下落した流れを受けて、東京市場でも幅広い銘柄で売りが優勢となりました。為替がやや円高に振れたことから、自動車や機械など、輸出関連銘柄も軟調でした。
衆院選の投開票を27日に控え、持ち高調整目的の売りも出ました。当初は、自民、公明の与党は、苦戦はするものの、過半数は維持できるのではないかと見られていましたが、しだいに、自民党派閥の政治資金問題を受けた有権者の反発は大きく、与党が過半数を割るのではないかという報道が相次いで行わるようになりました。特に、選挙終盤に一部の非公認候補の党支部に活動費として2000万円を支給したことが発覚し、批判が集まりました。このような状況を受けて、与党が過半数を割るとの見方が海外の投資家の間に広がり、リスク回避の動きが出ました。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。その衆院選ですが、28日未明、小選挙区289と比例代表176の全ての議席が確定しました。その結果は実際に、自民、公明両党は公示前の279議席から64減らし215議席となり、定数465の過半数である233議席を割り込みました。
首相指名選挙をする特別国会は憲法の規定により投票日から30日以内に召集されます。自民、公明両党だけでは定数の半数に達しませんが、野党第一党の立憲民主党だけでも過半数に達しません。その場合、上位2人による決選投票が行われます。その際に、他の与党がどちらに投票するかがカギになります。日本維新の会や国民民主党などの取り込み工作が重要になります。協力が得られないと、両党は白票を投じる可能性もあります。決選投票では、どちらも過半数に達しなくても得票が多い側が首相に選ばれます。
政権交代まではなくても、不安定な政局が続くことは間違いありません。ただし、過半数割れはある程度織り込み済みで、短期的にはいったんは下げても、その後は下げ渋ることも想定されます。