11月30日は「年金の日」、そして11月は「ねんきん月間」です。
毎年、自身の誕生月にはねんきん定期便が郵送されますが、封を開け内容をじっくり確認している人はどれくらいいるのでしょう。
老後が遠い人も、目前に迫っている人も、老後の収入源の一つとなる年金について把握しておくことは重要です。
本記事では、現シニア世代の年金事情にフォーカスしながら、現役世代の人たちが今から取り組むべきことについて考えていきたいと思います。
1. 【70歳代・夫婦世帯】貯蓄をいくら保有している?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・夫婦世帯の貯蓄事情を見ていきましょう。
※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。
1.1 【70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値】
- 平均値:1757万円
- 中央値:700万円
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
60歳で定年を迎え、65歳の年金受給が始まるまでの間に貯蓄を取り崩した世帯もあるでしょう。
また、年金受給後も年金収入だけで生活費をカバーできずに貯蓄を取り崩して補填している世帯もあると考えられます。
このように世帯により様々な事情がありますが、現70歳代夫婦世帯の貯蓄事情は上記のとおりとなっています。
貯蓄がゼロの世帯もあれば3000万円以上を保有する世帯も。貯蓄が3000万円もあれば老後は安泰と思うかもしれません。しかし、年金収入が少なく、生活費として貯蓄から毎月20万円を取り崩すとなればどうでしょう。
3000万円もの貯蓄は、12.5年でなくなってしまいます。老後に向けて貯蓄を進める際には、年金収入がどのくらい見込めるかを把握した上で、準備すべき貯蓄額を決める必要があります。
次章で、現シニア世代の年金事情を確認していきましょう。