2. 65歳以上の「年金世帯」の貯蓄事情を確認

総務省統計局の「家計調査報告 貯蓄・負債編 2023年(令和5年)平均結果の概要 (二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の年金世帯(無職世帯)の平均貯蓄額は2504万円となりました。

過去5年間の平均貯蓄額を比較すると、2023年が過去最高額となっています。

【過去5年間の年金世帯の貯蓄推移】

  • 2019年:2218万円
  • 2020年:2292万円
  • 2021年:2342万円
  • 2022年:2359万円
  • 2023年:2504万円

急激に老後資金の保有額が増加している背景として、2019年に話題となった「老後2000万円問題」への懸念から、老後に対する貯蓄意識が高まったことを要因の一つと考えて良いでしょう。

2023年における、貯蓄額の内訳は下記のとおりです。

  • 有価証券:480万円
  • 生命保険など:413万円
  • 定期性預貯金:846万円
  • 通貨性預貯金:754万円
  • 金融機関外:11万円

前年と比較すると、有価証券は480万円と前年比で80万円増加している一方、定期性預貯金は19万円減少しています。

近年における投資信託や株式などの金融商品への関心の高まりと、低金利環境下での定期預金のニーズ低下が反映されていると考えられます。

上記をふまえ、低金利環境が続く現代においては、預貯金以外にも資産運用を活用することが、安定した老後生活の準備として得策と言えるでしょう。