2018年7月27日に行われた、GMOメディア株式会社2018年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:GMOメディア株式会社 代表取締役社長 森輝幸 氏
売上高と利益
森輝幸氏:本日はお暑い中ご出席いただき、ありがとうございます。GMOメディアの森でございます。ただいまより、GMOメディアの第2四半期決算説明会を開催させていただきます。
まず、ハイライトでございます。(2018年)1-6月の上期を終えまして、売上高は25億7,500万円、営業利益は1億9,500万円ということで、増収減益になっております。
売上高自体は、その他メディア支援事業で伸ばすことができたんですけども、従前からあるブログや掲示板などの、粗利率が高いコミュニティ系のメディアが、過去から漸減傾向でございます。
そこの減少が響いた部分と、プラス、我々としてはいつも新しいサービスを開発しているんですけれども、そちらへの人件費・プロモーション・制作費というかたちで継続投資を行っていることから、営業利益が7.7パーセント減益になっております。
2018年4-6月TOPICS
この(2018年)4-6月の第2四半期の、サービスごとのトピックスになります。
まずポイントメディア関連では、「PointTown(ポイントタウン)」という媒体自体で、引き続きユーザー満足度の向上のために、ポイントの交換先をどんどんどんどん増やしていくという活動をしております。
この第2四半期におきましては、三井住友カードさまのワールドプレゼントというものと交換したり、あとはPontaさんのPontaポイントというような交換連携を開始したりして、好評を得ております。
あと、我々のシステムを外部に提供していくことも継続しています。去年(2017年)はドコモさんとやりましたけども、今度はgooさんの「gooポイント牧場」というものと提携いたしまして、そちらとも第3四半期以降、しっかりトータルのレビューを増やしていきたいと考えております。
続きまして、課金&無料ゲームの部分でございます。こちらはブラウザゲームを中心に展開しておりますが、自社のパブリッシュでございます「激突!最強プロ野球 ドリームバトル」というタイトルを、6月にリリースいたしました。
こちらは、まだ若干チューニングが残っております。一気にプロモーション(をする)というものは、これから考えていきますけども、現在は自社のプラットフォームプラス、これからの四半期に、他社のプラットフォームへ提供してまいります。
それから、後述しますけども、ソーシャルメディアというかたちで、新しく小説のサービスを展開しておりますが、こちらが順調に伸長しております。
その他(メディア支援事業)のところでは、ADシンジケート事業、それからアフィリエイトも堅調に推移しております。
対業績予想進捗
開示されております、今年度の業績目標に対しての進捗でございます。売上高としては54.8パーセント、営業利益は52.5パーセントで、一応(現時点で)半期でございますので、50パーセント超でございます。
我々は第1四半期が非常に需要期でございまして、逆に第2四半期は、年間ではいちばん……これは我々だけではなく、広告事業はみんな、4-6月が苦しむ部分です。合わせて考えますと55〜60パーセントぐらいあれば、我々としてはベストだなと思ってます。
そこに対しては、若干ショートしておりますので、引き続きこの下半期で、残りの40数パーセントをきっちり達成すべく、しっかりと作ってまいりたいと考えております。
損益計算書
続きまして、第2四半期の概要になります。売上高が11億8,000万円、23.3パーセント増でございますけども、売上原価が37.3パーセント増で、結果的には総利益のほうが微減で、マイナスの1.8パーセントになってしまっております。
これが、先ほど申し上げましたように、粗利益率の高い従来のコミニュティ事業が若干落ちた部分と、逆に原価率の高いアフィリエイトの事業などが伸長したことによる原価の向上が、ここの売上総利益率の減少につながっております。
販管費の部分につきましては(前年同期比で6.1パーセント増となっておりまして)、こちら(の要因の)1つは、今は積極的にユーザー還元を進めている中で原価が上がっている部分で、それによって引当金なども上がってきております。
そこで1,400〜1,500万円ぐらい引当金が上がっているんですけども、そういった部分と、あとはやはり販売促進費を増やしておりまして、販管費も若干プラスになっております。
結果、営業利益は3,700万円で着地をしております。
貸借対照表
BSにつきましては、こちらは淡々(とした結果)ということで、大きな出入りは(表の)右側の増減を見ていただきますと(おわかりのように)そんなに大きなものはございませんが、総資産・純資産ともに(増加幅としては)1桁ではございますが、前年比で堅調に推移をしております。
セグメント別売上高推移
セグメント別(の売上高推移)でございます。メディア事業の部分が、昨年度(2017年第2四半期)の7億6,000万円に対して(2018年第2四半期は)7億3,000万円というかたちで、これで見ると減少しているということになってしまいますけれども。
実際には、昨年の第2四半期の途中で、大きなADネットワークのレギュレーション変更というものがございまして、その部分で約6,000万円のマイナス影響を受けております。
結果としてはこのとおりでございますけれども、その部分を除外して考えますと、メディア事業の売上高としては5.6パーセント成長というかたちで、前年同四半期をきっちり超えられていると認識しております。
営業費用推移
営業費用推移でございます。アフェリエイト事業が増えてきておりまして、原価が上がってきているというのが基本的なトレンドなんですけれども。あともう1つ、ポイント(メディア)の還元率(向上策)というところを、我々は原価を上げるようなものでも、どんどん顧客満足度を追及しております。その結果として、やはり販売促進費部分が上昇傾向にあります。顧客満足度を上げて、しっかりトップラインに繋げていきたいと考えております。
メディア事業 デバイス別売上推移
デバイス(別売上推移)ですけれども、もう遅ればせながらでございますが、昨年(2017年)の第4四半期に、やっとスマートフォン比率が半分を超えたんですけれども、その傾向が続いております。
それから、ここから今の世の中の平均だともう(スマートフォンとパソコンの比率では)7:3ぐらいが平均になるのかなと思いますけれども、僕らは(スマートフォンが)6、7割というかたちで、パソコンをできるだけ落とさないようにしながらスマートフォンを伸ばしていくというかたちで、進めてまいりたいと考えております。
今後の成長戦略
続きまして、メディア事業のトピックスで先ほどご説明差し上げた部分を、補足させていただきます。
我々は昨年(2017年)、広告レギュレーションの変更というかたちで、いったん売上・営業利益とも落としてしまいました。それを受けた成長戦略というかたちで、既存の部分は、アフェリエイト広告は引き続きマーケット全体も運用型も含めて堅調でございますので、しっかり強化をしていくと。
それから、我々がB2Cとして自社のサービスをやっている知見を横展する(B2C+)B2B2Cというかたちで、自社のメディア事業プラス他社さんとのアライアンスによって、トータルで取りにいくというかたちの戦略。
プラス、この2点です。「ブラウザ戦略(強化)」と「xTECH」と書いてありますけれども、新しいメディアをつくっていくというかたちで、2019年・2020年(を見据えたかたち)の成長戦略で、現在事業を推進しております。
アフィリエイト広告強化①
アフェリエイト広告は従前から続けておりますけれども、アプリが155万ダウンロードを超えてきております。引き続き、こちらは我々の差別化要素だと思っておりますので、しっかりいいアプリを提供しながら、ダウンロード数・アクティブユーザー数というかたちで、伸ばしていきたいと考えております。
左側の会員数でございますが、(スライド内に※印で)少し注意書きをさせていただいております。(2018年)6月に、メールの配信ルールの見直し等を行った関係で、72,000人ほどアカウントを削除いたしました。
結果として(会員数は、3月末に比べて)横ばいとなっておりますけれども、引き続き本四半期から、堅調に会員数を増やしてまいりたいと考えております。
アフィリエイト広告強化②
先ほども申し上げましたけれども、去年(2017年)の第2四半期が「ポイントタウン」におきましては、スマートフォン経由の売上を37.7パーセントしかつくれていなかったんですが、スマートフォンのWeb・アプリを一生懸命取り組むことによりまして、15.3パーセント増加して、今回の2018年の第2四半期で、53.0パーセントとなりました。
スマートフォン中心のポイントメディアというかたちが、しっかりつくれてきたかなと考えております。
アフィリエイト広告強化③
ショッピングで我々のサイトを使いますと、楽天さん・ヤフーさんのポイントプラス、我々のポイントが貯まりますというかたちで、そこの数字を伸ばしてまいりました。
この(2018年)第2四半期におきましては微減、ほぼ横ばいです。ユーザー数は第1四半期に比べて8パーセント成長しているんですけれども、単価が10パーセントほど下落した部分もございまして、横ばいとなっております。ただ、前年同期比では20パーセント超の成長をしております。ここも引き続き、利便性を追求してまいります。
アフィリエイト広告強化④
先ほど申し上げましたポイント交換先(として)、昨日(2018年7月26日)も楽天さんのリワードとの連携を発表しましたけども、この後8月(以降)も、多様なお客さまの多様なニーズに応えていくべく、交換先を増やしてまいりたいと思っております。
B2C+B2B2C
先ほど申し上げました「B2C+B2B2C」です。自社の成長プラス、アライアンスさまとの連携で、成長を遂げていくイメージでございます。
B2C+B2B2C(アフィリエイト広告)①
こちらが、先ほど申し上げましたNTTレゾナントさまの「gooポイント牧場」というサービスに、我々がシステム・運用、それから広告メニューを提供しています。こちらも拡大をしてまいりたいと思っております。
B2C+B2B2C(アフィリエイト広告)②
これが、「ポイントタウン」プラス外部との連携の売上の流れですけれども、昨年(2017年)の第2四半期で一度ドカンと、先ほど言いました広告ネットワークのレギュレーション変更が(影響して、売上を)落としたんですけれども、なんとかリカバリーしながら、前年同期比で14パーセント伸ばしてきております。
「ポイントタウン」単体も、なんとか前年同期比では成長できておりますので、ここは引き続き、自社サイトプラスアライアンスで伸ばしてまいりたいと考えております。
B2C+B2B2C(ゲーム課金)①
続きまして、ゲーム課金です。「ゲソてん」という我々のプラットフォームを横展して、B2C+B2B2Cで展開しております。こちらは、堅調に推移をしております。
B2C+B2B2C(ゲーム課金)②
この(2018年)4月半ばにスマートフォン版をリリースしておりまして、そちらも課金手段が最初はなかったんですけれども、徐々にキャリア課金も追加できたりしながら、成長してきております。ですから、今まではパソコンが100パーセントだったのですが、スマートフォン割合が徐々に出てきておりますので、こちらを今後の成長ドライバーとして、つくっていきたいと思っております。
ブラウザ戦略強化
続きまして、今までは既存の戦略でございましたけれども、我々が引き続き今年も掲げておりますのが、ブラウザ戦略強化でございます。こちらにいくつか、ユーザーニーズ・提供者ニーズ・インフラ背景を書かせていただいております。
ユーザーニーズにおきましては、これはデータということではないんですけれども、我々も非常に女子中高生向けのメディア等を展開しております。ただ、もう今スマートフォンは、だいたいみなさん3台目・4台目になっている中で、もうかなり動画や写真でストレージがいっぱいです。
諸説ありますけども、どんどんアプリもよくなりまして、1つのアプリを落とすのに平均で50メガバイトぐらいかかるみたいなんですけれども。ですから、新しいアプリを落としていただくこと自体で、非常に難易度が高くなってきていると言われております。
ここにも「ハードディスクを圧迫しない」と書いておりますけども、我々としては、ブラウザが非常にPWA、HTML5と、どんどん新しい技術の中で模索してきましたので、インストール不要で遊んでいただける、楽しんでいただけるUXを提供していきたいと考えております。
とくにゲームの分野におきましては、Facebookさんがグローバルのブラウザゲームでかなりユーザーを伸ばしていらっしゃるみたいです。LINEさんも先日発表されましたが、HTML5のゲームのプラットフォームを(2018年)8月からスタートすると発表されております。
ですから、Googleさま・Appleさまにおけるネイティブのゲームアプリのマーケットは、これからも主戦場であることには変わりがないんですけれども、新しくブラウザのマーケット・ブラウザの可処分時間はもう1回見直されると感じまして、我々としてはここを、成長戦略としてまいりたいと考えております。
あとは、5G。いわゆる第5世代と言われるものが、来年・再来年(2019年・2020年)と、オリンピックまでにはだいぶインフラができると思いますけれども……こうなってきます、とローカルです。「あるから速い」ということではなくて、もう回線インフラ自体が非常に便利なもの・速いもの・快適なものになりますので、そこにもブラウザのチャンスがあるんじゃないかと考えております。
ブラウザ戦略強化(ゲーム)①
先ほど申し上げましたブラウザゲームの、「激突!最強プロ野球 ドリームバトル」。今、自社のサイトとモバゲーさんでリリースをしておりますけれども、今後は来月(2018年8月)ハンゲームさん・Yahoo!モバゲーさん・mixiゲームさんというかたちで、展開をしてまいります。
ここ(のスライド)では言及していませんが、スマートフォン・タブレット・パソコンと、デバイスを選ばないことが特徴でございます。家でやっていて、「あ、やばい、会社に行かなきゃ」という中、そのまま電車の中で、スマートフォンで続きをやっていただけるかたちのゲームでございます。この他も、ブラウザでございますので、ゲームプラットフォームに閉じず、新しいいろんなチャレンジをしてまいりたいと考えています。
ブラウザ戦略強化(ゲーム)②
それから、これは来年(2019年)の第1四半期を予定していますけれども、グループのGMOインターネットで、もうすぐ「キャプテン翼ZERO」のネイティブアプリ、スマートフォン向けのゲームがリリースをされる予定となっています。こちらは我々としては、ブラウザ向けにこれからカスタマイズしまして、なんとか来年の第1四半期に(リリースしたいと考えております)。
『キャプテン翼』のアニメが、この(2018年)4月から来年の3月までの1年間のオンエアでございますけれども、そこに向けてきっちり(進めていきます)。パソコン版の『キャプテン翼』のゲームはございませんので、ここはちゃんと作っていきたい、投下していきたいと思います。
ブラウザ戦略強化(ソーシャルメディア)
それからもう1つ。ゲームのみならず、もう1つ我々としては、投稿型の小説を去年(2017年)の10月くらいからリリースをしていますけれども、こちらが順調に推移をしています。従前の文字がいっぱいのかたちではなくて、LINEさんを代用して、チャット型のUIで小説を楽しんでいただく切り口でございまして。
それが、あたかもネイティブアプリのようなUI、PWAという技術なんですけれども、その技術で展開していますのが、我々の「プリ小説」の特徴でございます。ですから、まだ(2018年)7月24日現在の数字ですけれども、1,500万PVです。6月はもう超えていますが、これから夏休みに向けてさらに成長してまいりますので。
実はこれ、まだマネタイズはしていません。どういったかたちであれば、広告がユーザーの方に受け入れられて、成長を邪魔しないかということは、この第3四半期にテストしながら(やっていきます)。引き続きここは、マネタイズメインでやるんじゃなくて、成長を最大に優先しますけれども、今後、新たな我々のソーシャルメディア部分のビジネスの控えになるように、準備をしてまいります。
xTECH(新メディア)
ちょっと早口になりましたけれども、最後です。プログラミング教育が、2020年に小学校で必修化が決まっています。2021年に中学、2022年に高校、そして2024年に大学入試の一部に、もう情報という科目が入ってくる方向で、今進んでいます。(それを受けて)全国に5,000強の教室が、どんどんどんどん増えてきています。
ですから、この新しいジャンルを紹介していくべく、「コエテコ」というプログラミング教育メディアを、去年(2017年)の11月からスタートしています。こちらも、まだ記事を提供してマネタイズに入っていませんけれども、この(2018年)第3四半期から、若干売上が入るかたちで動き出しています。
大手の業界誌(を発行する)全国私塾情報センターとタイアップしまして、9月から我々のメディアを広げるべく、全国で5都市で共催セミナーを開催しながら、「コエテコ」をしっかり育てていきたいという取り組みを強化して、来年(2019年)の成長ドライバーにしていきたいと思っています。
ということで、この第2四半期は、ちょっとまだ新規投資、それからポイント還元で、今回減収にはなっていますけれども、年度の目標達成と来年の成長に向けて、しっかり進めてまいります。ご清聴どうもありがとうございました。