2. 「家系図作りを始めたこと」がキッカケだった

戸籍を辿った経緯を聞くと「両親がどちらも北海道生まれで、それぞれルーツが気になって家系図作りを始めていたことがきっかけです」とのこと。

話題となった戸籍に関しては、「この戸籍は、昨年の暮れに母方の実家がある町に『母親および直系尊属を出生から死亡まで、改製原戸籍と除籍謄本をすべて』として請求したところ、15種類48枚、5世代前の戸籍が送られてきました」と説明します。

枚数が多いこともあり、半年以上放置していたというにゃんだーすわんさん。「先月ようやく整理に手をつけて、家系図ソフトへの入力を始めました。この漢字は祖母の祖母にあたる、明治20年生まれの人物の両親の名前として記載されていました」と教えてくれました。

にゃんだーすわんさんは、学生時代から趣味で漢字を調べていたといいます。謎の漢字を目にしたときは驚いたそうで、「特に正字体と常用漢字表の新字体の関係についてよく学んだので、見たことがない漢字が自分のルーツから出てきたことに驚きがありました」と話します。

文字の起源が気になり、漢字について調べ始めたにゃんだーすわんさん。

当時の状況について、「とくにこの戸籍の表記は上の部分が『木』ではなく『ホ』のように見える書きぶりだったので、どんな起源の漢字なのだろうということが気になりました。はじめに検索したのは戸籍統一文字でしたが、画数で探してみると、まったく同じ字体のものがないことは、すぐにわかりました」と説明。

続けて「日本では攝(※手へんに耳3つ)→摂のように同じパーツが三つ並んだ漢字が><のような形に省略されるパターンがあることは知っていたので『森』ではないかという推測に至るのに時間はかかりませんでした」と話すように、漢字を推測することはスムーズだったと明かします。

3. 謎の漢字が「森」だと分かった時の心境を聞いてみると…

謎の漢字は森だった

謎の漢字は森だった

出所:@tadsan

「森」と推測するまでに時間はかからなかったものの、まだ漢字への疑問は残ります。

「問題は、これが本人や家族がアイデンティティとして名乗っていた特別な文字だったのか、婚姻届を受理して戸籍を記入した担当者がこのような略字を使う癖だったのかということです」と話すにゃんだーすわんさん。

そこで別の市から戸籍を取ることに。「従前戸籍は別の市だったので、戸籍をとり寄せ、こちらは『森』としか読めない文字だったので決着しました」と、意外にもすぐに漢字の正体を確認できた旨を明かしてくれました。

当時の心境を聞くと「心情としては『なーんだ』というものでしたが、全国の斎藤さんや渡辺さんのような表記揺れの発端になるような異体字が、自分の戸籍にも見えたことはやはり興味深いものです」と語ります。

4. 漢字検定の検定料は…

ここからは漢字に関するエピソードに関連し、漢字検定について紹介します。

漢字検定は漢字の意味を理解し、文章の中で正しく使う能力を測るもの。小学校1年生で習う漢字を対象にした10級から、高校生までに習う常用漢字すべてを対象とした2級、常用漢字表外の漢字を含んだ約6000字を対象とした1級まで挑戦することができるのです。

受検方法は、全国にある公開会場で受検する「個人受験」。漢検CBT会場でコンピューターを使って受検する「漢検CBT受験」、タブレット端末を使って自宅で受検する「漢検オンライン(個人受検)」、所属している学校や塾・企業などで受検する「団体受検」があります。

検定料は下記の通りです。

  • 1級 6000円
  • 準1級 5500円
  • 2級 4500円
  • 準2~4級 各3500円
  • 5~7級 各3000円
  • 8~10級 各2500円

いかがでしょうか。今回は、Xで話題になっている「戸籍に載っていた、見たことがない漢字」を紹介しました。投稿主の「@tadsan」さんは、今回ご紹介した写真のほかにも、Xで日常やプログラミングに関する投稿をされています。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

参考資料

小野田 裕太