10月といえば、年金の振り込み日になります。

年金額は毎年、物価や賃金の変動に合わせて見直される仕組みとなっています。

この調整は、毎年6月ごろに送られてくる「年金振込通知書」に書かれた金額が基本ですが、10月にも変更があることがあります。

年金額は老後の生活の大きな支えなので、10月の振込額をしっかり確認しておくことは重要です。

そこで今回の記事では、こうした年金額の変動について解説していきます。

そのうえで、年金振込通知書についてもチェックしていきましょう。

1. 厚生年金や国民年金の振込額「10月」から変わることがあるのはなぜ?

公的年金の振込額が10月から変わる理由

考え込む男性の写真

polkadot_photo/shutterstock.com

10月から、公的年金の振込額が変わるケースがあります。これは、公的年金から天引きされる「税金」や「社会保険料」の金額が変更する可能性があるためです。

年金は現役時の給与と同様に「収入」に該当するため、多くの人の場合は振込がされる前に「税金」や「社会保険料」天引きされています。

この天引きされる税金などにはどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。

1.1 年金から天引きされている「税金」

  • 所得税および復興特別所得税
  • 個人住民税および森林環境税

1.2 年金から天引きされている「社会保険料」

  • 介護保険料
  • 後期高齢者医療保険料・国民健康保険料

天引きされる税金と社会保険料の金額は、原則として「4月〜8月」の仮徴収期間と「10月〜翌年2月」の本徴収期間に分かれています。

  • 4月〜8月(仮徴収期間):前々年の収入をもとに税額を算出
  • 10月〜翌年2月(本徴収期間):前年の収入をもとに税額を算出

つまり、10月以降に天引き額が増減する可能性があるのは、本徴収期間となって、前年の収入が前々年よりも多かったり少なかったりすると影響があるためです。

たたし。年金受給者全員の振込額が10月以降に変わるわけではなく、収入や控除額に変化がなければ振込額は変わらないのでご注意ください。

では、どのような人が10月から年金の振込額が変わるのでしょうか。

次章にて、「10月から年金振込額が変わる人」の特徴について具体的に確認していきましょう。