3.3 所得税
所得税は、前年の所得水準に応じて税金がかかります。所得税は所得水準に応じて税率が引き上がる「累進課税」の制度となっています。そのため年金水準が高かったり、他に収入があったりすれば税率が高くなります。
目安として65歳未満なら108万円、65歳以上なら158万円を超えると課税対象です。
また「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成23年法律117号)」により、復興特別所得税も加わることになります。
3.4 住民税
年金所得が一定以上になる場合は、住民税も天引きで納付します。
住民税は、均等に発生する均等割と所得水準に応じてかかる所得割が存在します。所得割は前年の課税所得額の10%となるのが基本です。
均等割は自治体によって異なりますが、5000円前後となるケースが多いといえます。
ただし、所得が一定以下となる場合や障害年金・遺族年金を受給している場合は住民税非課税となります。
4. まとめにかえて
ここまで厚生年金の平均受給額と、厚生年金から引かれるお金について見てきました。
次回の年金支給日は10月15日です。2カ月分が一度に支給されるため、まとまった資金を受け取る方も多いかもしれません。
しかし、年金額は毎年度改定されており、昨今は物価上昇率に増額率が追いついていないため、実質的な目減りとなっています。
少子高齢化が進み税金や保険料の負担も増加していくことが想定されるため、現役時代のうちから年金だけに頼らない資金計画を立てて、ゆとりあるセカンドライフを過ごせるようにしておきましょう。
参考資料
- 国民年金基金「よくあるご質問(給付に関して)」
- 厚生労働省「令和5年度 介護納付金の算定について(報告)」
- 厚生労働省「令和6年度からの後期高齢者医療の保険料について」
- 総務省「個人住民税」
- 新宿区「令和6年度 国民健康保険料 概算早見表(給与/年金のみの場合)」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
中本 智恵