5. まとめにかえて
今回は、60歳代・70歳代・80歳代の方が受給している「厚生年金・国民年金平均受給額」について確認しました。
少子高齢化や物価高の影響もあり、「老後は、年金のみで生活することは難しい」と感じた方は多いでしょう。
会社員や公務員、厚生年金の加入要件を満たすパート・アルバイト従業員の方は、国民年金と厚生年金の両方を受け取れます。
しかし、自営業や専業主婦(専業主夫)、フリーランスの方が受給できるのは「国民年金のみ」となるため、年金以外の備えがよりいっそう大切になってくるのではないでしょうか。
まずは、日本年金機構から届く「ねんきん定期便」や、「ねんきんネット」で自身が受給できる年金見込額を確認したうえで、老後の年金暮らしについて考え、不安な場合は資産運用を取り入れていくのもよいかもしれません。
老後の備えとして、国民年金や厚生年金だけではなく、私的年金制度のiDeCoや、保険会社の商品である個人年金保険などの選択肢もあります。
iDeCoは、税制優遇を受けながら資産形成もできる国の制度です。
個人年金保険は私的年金の1つですが、保険会社が販売しています。
基本的には大きな変動はなく、安定的にお金を積立てることができるため幅広く利用されています。
積立しながら節税効果(生命保険料控除)が利用できるのも特徴です。
大きく増やすというより、あまりリスクを取りたくない方には相性が良いと言われています。
このように資産形成の方法としていろいろな種類がありますので、将来に向けて自分に合った運用方法を見つけ、少しずつでも準備を進めていけるとよいですね。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」2024年6月21日
- 金融庁「鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要(2024年8月15日)」
- 厚生労働省「教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?」
- 厚生労働省「社会保険適用拡大についてご案内します」
西村 翼