株式投資をする際には「いつ買ってよいの?」や「いつ売ってよいの?」という点は初心者に限らず、中上級者にとっても非常に重要なポイントです。
そうした投資判断を下すのに欠かせないバリュエーション(株価評価)。
今回はそうしたバリュエーションの中からPERの使い方を見ていきたいと思います。
PERとは何か
PERは、Price Earnings Ratioのアルファベットの頭文字をとったもので、「ピー・イー・アール」と読みます。
時折「パー」と読まれる方もいますが、外国人投資家の発音を見ていますと、その読み方は「ピー・イー・アール」です。シニアの中にはゴルフの「パー」が頭にあるのか知りませんが、株式投資で「パー」というとリテラシーを疑われるのでやめましょう。
また、PERは日本語では「株価収益率」とも呼ばれます。ただ、個人投資家でもPERを使うことが多いようです。
PERを算出する式は以下の通りです。見てのとおり、非常にシンプルです。
PER=株価÷1株当たり当期純利益
一株当たりの当期純利益はEPSは「イー・ピー・エス」とも呼ばれます。ちなみに、EPSはEarnings per Shareの頭文字をとったものです。EPSは当期純利益を発行済株式総数で割ったものです。
余談ですが、現在のPERを算出する際に使用するEPSは「実績値」ではなく「予想値」を使います。これは現在の株価水準には将来の業績の期待値が織り込まれているということによるもので、EPSの予想値としては会社が決算タイミングで発表する業績見通しであるとか、証券アナリストの予想値の平均値であるコンセンサスなどを使います。
余談ついでに言えば、EPSを算出する際に使用する発行済株式総数は完全希薄化後のEPSの数値を証券アナリストなどは主に使用しています。完全希薄化後の実績値のEPSなどは決算短信などにも記載されているので、気になった方は確認するとよいでしょう。
PERは何倍が高く、そして何倍が安いのか
さて、PERは通常、「XX倍」を単位として表現されます。「銘柄Aは、現在PERで15倍だ」というように使われます。
ただ、こういうと株初心者の中には「何倍であれば高いのか、また安いのかわからない」という声をよく聞きます。
これは実際、その通りです。「何倍が高くて安いのかは個別の企業ごとに見なくては判断ができない」というのがプロ投資家でもある機関投資家も同じです。
もっとも、日本の株式市場全体のPERは日本経済新聞(日経新聞)に記載されていますから、全体の水準を知るにはそうしたデータを参考するのが良いでしょう。
一般的に、PERは15倍くらいが平均的な水準といわれることが多いです。これには理屈があるのですが、いったんはここでは話を先に進めましょう。
では、PERで15倍を上回れば割高で、下回れば割安なのでしょうか。
株式投資の入門書などもに「PER20倍以上の株には手を出すな」等という趣旨の内容が書かれている書かれている本もありますが、これは一概にそうするのが正しいとも言い切れません。
もっとも、PERの水準が低い銘柄に投資をするという投資スタイルもあるのも事実で、そのスタイルを否定するつもりもありません。
ただ、単純なPERの水準だけで投資対象を絞ってしまうというのは、その中に非常に有望な銘柄が潜んでいるのだとしたら、極めてもったいない話です。これから株式投資をはじめようとする株式投資家としては、様々なスタイルを知っておくというのもまた勉強となるでしょう。
PERを決める要素とは
PERを決める要素で大きなものは何かといえば、一言でいえば、その企業の将来の利益水準です。
利益水準が拡大ペースが(たとえば、日本株全体に対して)大きいとみられるならば、PERは株式市場全体よりも高い水準になってもよいはずです。こうした銘柄は「成長株」や「グロース株」と呼ばれます。
そうした利益成長の余地などを考えずにして「PERが20倍だから高いから買うのはやめよう」といってしまうというのはおかしな話です。個別企業の将来の利益水準を考える必要があるわけです。
また、PERが高いのは成長企業だけではありません。業績が景気によって循環する銘柄の場合(シクリカル銘柄と呼びます)、利益が出ていないシーンでポジションを作っておかなければならないのですが、そうした状況では利益が出ていないためにPERは時には何十倍というように非常に高い水準にもなっていることがあります。
毎度毎度、PERで15倍とか、20倍で投資対象を削ってしまっていては、そうした銘柄は投資対象には入ってこないということになります。それぞれの銘柄に癖があるといえるでしょう。
ただ、こういうと、「私は株初心者で証券アナリストではないので、将来利益などは予想できない」という人もいるのではないでしょうか。その場合には、先ほども触れた証券アナリストのコンセンサスなどを利用して将来利益のPERではかるということもできます。最近ではネット証券のサービスが充実しており、IFISコンセンサスなどを会員であれば無料で利用もできるので興味があれば活用してみてもよいでしょう。
それ以外にもPERを決定するその他の要素があります。それは将来利益(もしくはキャッシュフロー)に対する割引率がいくらかという点も重要です。
金利水準や株式へのリスクを求める水準、つまり相場環境によってもPERの水準自体が変化します。これは個別企業というよりも株式市場全体の話です。ただ、株初心者にここまで意識をしろというのは難しいでしょうから、やはり個別企業の将来の利益水準によりフォーカスをするのが良いでしょう。
株初心者が簡単にできるPERの現在値の判断の仕方
将来のPERを知るために「証券アナリストの予想値などあてにできない」という人もいるのではないでしょうか。確かにアナリストも人の子。すべてを正確に見通すことなどできません。であれば、どうすればよいのでしょうか。
一つの方法としては、それぞれの企業の過去のPERの動向を振り返ることです。過去10年くらいの期間で各年度の高値と安値を知り、実績値のEPSで割った過去のPER推移を知るのです。
こうすることで、その企業がどういった水準で推移してきたのかが分かります。過去が未来を言い当てるわけではなりませんが、歴史がある企業であればあるほど、多くの投資家も過去を見ていることになります。手練れの機関投資家は「この銘柄はPERで何倍は株式市場が高いと考えるであろう」という目線を持っているものです。株初心者も過去の実績などであれば簡単に知ることができますので、そうした目線を備えておくのに越したことはありません。
もっとも、企業もその成長ステージが変わっている場合には収益の伸び率なども変わっていることもあり、過去の推移がそのまま当てはまるわけではありませんが、参考にはなるでしょう。
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制作:株式会社モニクルリサーチ