2. 国民年金:2023年度の満額は「月額6万6250円」

本記事では厚生年金の実態に迫るのですが、年金制度のベースとなる国民年金にも触れておきましょう。

先述したとおり、国民年金は全員一律の保険料を支払い、40年間全ての保険料を支払った場合に満額を受給することができる仕組みです。

では、その満額とはどれくらいなのか?

2023年度の67歳以下新規裁定者の国民年金の満額は月額6万6250円です。

令和5年度の年金額の例(67歳以下の場合)

令和5年度の年金額の例(67歳以下の場合)

出所:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」

2023年度の67歳以下新規裁定者の年金額は前年度から2.2%の増額となりました。既裁定者は1.9%の増額です。

年金額は毎年度、物価や賃金の動向を見ながら見直しが行われます。

しかし、年金制度を維持するために、被保険者や平均寿命を睨みながら調整が行われるため、物価や賃金と同レベルの年金額引き上げとはいかない仕組みになっています。

では、この国民年金(基礎年金)に、現役時代の報酬や加入期間によって決定する報酬比例部分が上乗せされる厚生年金の場合、どのくらいの支給額になるのでしょうか。

3. 厚生年金:平均年金月額と受給額分布

厚生年金保険(第1号)年金月額階級別受給権者数(男女計)

厚生年金保険(第1号)年金月額階級別受給権者数(男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

全体平均:14万3965円