3. 10月15日支給分から年金の手取り額が変わる人も
前述のとおり、公的年金からは税金や保険料が天引きされます。この天引き額が変わることにより、結果として10月15日支給分から年金の手取り額が変わる人がいます。
3.1 天引き額が年度途中で変わるケース
例えば、年金から天引きされるお金のうちのひとつ、介護保険料は7月に決定されます。つまり、6月に年金が支給されるタイミングではまだ決定されていないため、「2023年度と同じ金額」が天引きされていました。
確定するまでの間、前年度と同じ金額を仮に徴収することを、仮徴収と言います。
自治体によって異なるケースがありますが、多くは8月まで仮徴収分を行い、10月から本徴収が始まります。
「これまで差し引いた金額」と「本決定された金額」の差額を、10月、12月、2月の3回で年金から天引きするという仕組みです。
介護保険料だけでなく、他の天引きされるお金も同様に変動するため、年金手取り額が変わる人がいるのです。
3.2 定額減税の影響を受けるケース
6月から始まった定額減税により、所得税が天引きされていた年金受給者は手取り額に影響がありました。
さらに10月からは、住民税の定額減税がスタートします。1人あたり1万円減税されるため、最大で1万円手取りが増える人もいるでしょう。
10月支給の年金で減税しきれない分については、以降の年金からも順次減税されます。所得税の減税が残っている人の場合は、その分も上乗せされ、手取り増が実感できるかもしれません。
3.3 在職定時改定の影響を受けるケース(支給日に注意)
また、10月に在職定時改定の影響を受けるケースもあります。
年金を受給しながらも、厚生年金に加入しつつ仕事を継続する65歳以上のシニアは多いです。こうした対象者に対し、8月までの加入実績を10月以降の年金に反映させる制度があります。
ただし、10月分の年金を受給するのは12月になるので、実際の改定は先になる点に注意が必要です。