転職の面接時にふさわしいふるまいや服装などは、応募先の業界や年代などによっても好まれるスタイルはさまざまです。リクルートスーツは必要なのでしょうか?新卒の就職活動とはどのように違うのでしょうか?この記事では、転職を成功させるために押さえておきたい面接時の服装やマナー、面接の流れについてご紹介します。

目次

1. 転職活動の面接にふさわしい服装とは
2. 正しく確認しておくことが大切!転職活動における面接でのマナー
3. 転職の面接における自己紹介の方法
4. 転職の面接で行う逆質問のポイント
5. 事前に知っておきたい!転職の面接で聞かれること
6. 転職において面接を辞退する場合に知っておくべきマナー
7. 転職の面接で採用されたらお礼メールが必要?
8. おわりに

転職活動の面接にふさわしい服装とは

転職活動の面接にふさわしい服装は、面接を受ける企業によっても違ってくる場合がありますが、一般的に考えるとビジネススーツがおすすめです。また、カジュアルな服装で勤務ができたり、スーツや制服など服装の指定がなかったりする企業も増えてきていますが、面接の際はスーツを着用した方が無難でしょう。服装やアクセサリーなどファッション的な要素をチェックされることもあるので、グレー系やネイビー系のビジネススーツを社会人らしく着こなしましょう。

企業によっては、私服での面接を指定する場合もありますが、私服はスーツ以上に悩んでしまいますよね。私服だからといっても、あくまでも面接ですので、襟付きのきちんとした雰囲気の服装を心がけ、何よりも清潔感のあるコーディネートをしましょう。

また、新卒の際に新調した、リクルートスーツを着用して転職活動を行う人もいるようですが、リクルートスーツはフレッシュで若々しい印象を与えるのはもちろん、未熟で経験に乏しい印象を持たれてしまう場合があります。

もし、スーツを新調するのが難しい場合などでリクルートスーツを着用したい場合は、インナーをカットソーに変えたり、デザイン性のあるブラウスを選んだりするとリクルートスーツとは違った雰囲気を出すことができますよ。

正しく確認しておくことが大切!転職活動における面接でのマナー

面接の入室や退出の際のマナーを守ることは、面接官に好印象を与えるためにも大切です。新卒の面接と大きな違いはありませんが、改めてマナー確認をしておきましょう。

まず、ドアを「3回」ノックします。「2回」ノックするとトイレの際のノックになり失礼にあたりますので、ノックする回数は必ず「3回」です。中にいる面接官に「どうぞ」といわれたら入室をします。

ドアを開けたら、「失礼いたします」と会釈をし、ドアを静かに閉めます。正面を向いたまま、後ろ手でドアを閉めるのは失礼にあたりますので、しっかりとドアを見ながら閉めましょう。ドアを閉めたら、正面を向いて「本日はよろしくお願いいたします」とお辞儀をします。

椅子の横まで機敏に移動し、面接官に「どうぞ」と声をかけられたら、「失礼いたします」といって着席をします。
また、先に着席をして面接官を待つ場合、面接官が入室してきたら、素早く立ち上がって名前を名乗り、「よろしくお願いいたします」とお辞儀をするようにしましょう。挨拶は人付き合いの基本です。初めてお会いする方に対しての挨拶を蔑ろにしてしまうと、第一印象で好感を持って貰えない可能性があります。

椅子に座る際は、持っているバッグは、空いている椅子などに置かず、自分の椅子の横の床に置きます。したがって、面接の際に持っていくバッグを選ぶときは、置いた時に倒れる心配がない、安定感のあるタイプを選んでおくと安心です。

一般的に、面接は自己紹介から始まり、最後に面接官から「何か質問はありませんか」など、逆質問を受ける流れで進みます。逆質問をすることは、マナー違反ではなく、むしろその逆です。質問を通して熱意を伝えることもでき、面接官への最後のアピールにもなります。あらかじめ質問を用意しておき、躊躇せずに質問してみましょう。

転職の面接における自己紹介の方法

自己紹介は、自分のことを面接官に知ってもらうための貴重なチャンスです。しかし、まとまりのない話をし続けることは退屈な印象を与えてしまいますので、要点を整理して、長くても3分以内にまとめるようにしましょう。

転職の際にアピールするポイントとしては、「名前とあいさつ」「仕事やキャリアなどにおける自分の強み」「締めのことば」という構成にすると、スッキリとまとまった印象を与えることができます。また、異業種や未経験の仕事に転職をする場合は、「過去のスキルやキャリアを活かしてこの会社に貢献したい」ということがアピールできるような内容にしましょう。自己紹介を通じて、新たな仕事に対するやる気や会社が自分を採用することで得られるメリットを伝えると良いでしょう。

したがって、話す内容に気をつけることはもちろんですが、大きな声ではっきりと伝えることも大切なポイントであるといえます。逆に、小さな声で恥ずかしそうに自己紹介を行うと、コミュニケーション能力に問題があると捉えられてしまう場合もありますので、自己紹介は「自分をアピールするチャンス」と捉えて、自信をもって行いましょう。

転職の面接で行う逆質問のポイント

効果的な逆質問のポイントは、「きちんと応募先の業務を把握できている」ことです。

応募先の企業に実際に入社した感じを想像して、リアルなシミュレーションをした際に出てくる疑問を投げてみます。具体的には「何名をマネジメントすることになりそうでしょうか」「御社は〇〇事業の中で〇〇と〇〇を推進しておられるようですが、私が関わらせて頂くとしたらいずれになるでしょうか。」などです。

その際に、自分が得意な過去の経験やスキルをアピールできるようであれば、PRしない手はありません。「実は、前職で〇〇を一から立ち上げるチームで責任者をしておりましたので、〇〇に関する部分ではお役に立てるのではと思ったのですが、そのあたりを是非お聞かせいただけないでしょうか。」のような感じで、さりげなく自分の経歴をPRします。

新卒の場合は、頭がよく順応力があり、伸びしろを感じそうな方が好まれますが、転職の場合は、即戦力になる人材が圧倒的に好まれます。過去に経験してきた何をこの会社で活かせるのかを、面接の場で具体的にアピールすることで、面接官に好印象を与えることができるでしょう。また、労働条件や給与は転職する上で大切な要素ですので、面接で採用前に確認をしておきたいという場合は、話の合間にさりげなく聞くことをおすすめします。表現の仕方が難しいという場合は、求人票や求人サイトなどのプリントアウトを用意しておき、条件に間違いがないかを一言たずねると良いでしょう。

また、転勤や残業の有無、休憩時間の長さや昼食の取り方なども聞いておくと入社後のギャップが少なくなるでしょう。
いずれにしても、逆質問を行うことは、その企業に入社することを真剣に考えていると捉えて貰いやすく、面接官にやる気をみせることにつながります。必ず事前に準備しておきましょう。また、説明して頂いた内容で事前に準備した質問がなくなってしまい、質問が思いつかない…という場合は、入社前に準備をしておくべきことなどを尋ねることで、働く意欲をアピールすることもできます。

事前に知っておきたい!転職の面接で聞かれること

転職の面接までに、想定される質問に対する回答をあらかじめ準備しておくことで、本番での不安を取り除くことができます。転職の面接の際には以下のような質問がよくされるようです。

  • スキルや経験を問う「職務経歴について」
  • 長く働いてもらうための「前職での退職の理由」
  • 入社の意欲を確かめる「志望の動機」
  • 自分の仕事に対する考えや意見をしっかりと述べるとともに、組織的な視点との整合性がみられるかを判断される「仕事観」

最低でも、上記の4点については、聞かれたときにスラスラと答えられるよう、あらかじめ回答を準備しておきましょう。

ここで意識をしなければならないのは、マイナス思考ではなく、プラス思考な回答を準備しておくことです。面接官は仕事に対する姿勢も観察しているため、退職の理由のようなネガティブに思えるような質問であっても、前向きな回答をすることで好印象につなげられます。その他にも、一般的にはあまり聞かれないような質問も面接する職種によっては、聞かれることがありますので事前にしっかりと研究をしておくと良いでしょう。

たとえば、コミュニケーション能力などを求められるディレクターなどの職種では、「リーダーシップ能力」などについて問われたり、ゲームプランナーなどの職種では「その会社が手掛けているゲームの弱点」などについて問われたりすることもあるようです。したがって、事前にその企業の調査をしておくのはもちろん、一般的な質問から、その業種や職種ならではの質問まで幅広く想定して準備おくと面接の自信につながるでしょう。

転職において面接を辞退する場合に知っておくべきマナー

転職活動中、複数の企業を同時に受けておくことも少なくありません。場合によっては、面接を受ける前に、希望していた他の会社から内定をもらうこともあるでしょう。希望する会社からの内定をもらった場合は、できるだけ早く他の面接を予定している会社に辞退する旨を伝えなければなりません。面接を辞退するマナーとしてどのような方法が最適でしょうか。

面接の辞退を伝える方法は、一般的にメールが多いようですが、相手がメールを見ていないことなどもあるため注意が必要です。電話の方がより確実であり、誠実な印象を与えることができるでしょう。

いずれにしても、面接をぎりぎりになってドタキャンしたり、何の連絡もせずにすっぽかしたりすることは面接時間を用意してくれた企業に対して失礼になりますので、必ず連絡をしましょう。できることなら、面接の2日ほど前には伝えられるように調整することをおすすめします。やむを得ず当日になって辞退する場合は担当者に電話して辞退の旨を伝えましょう。

辞退申し出の具体的ないい方として、「自分の名前」「面接の日程」「面接を辞退する旨とその理由」「締めのことば」を構成として考えると良いでしょう。

また、面接を辞退する理由については、あやふやな理由で隠したりするよりも、「御社はとても魅力的だったので本当に悩んだのですが、かねてより希望していた職種で他社の内定が出たため、チャレンジさせて頂くことにしました。」のように、正直かつ誠実に回答するのが一番です。辞退であっても、丁寧に誠実な対応することを心がけるようにしましょう。

転職の面接で採用されたらお礼メールが必要?

転職の面接で採用されて、内定の連絡を受けた場合、この時点では企業からの一方的な通知にすぎません。転職において、お礼メールは必須ではありませんが、内定を承諾する旨を伝える目的と、感謝の気持ちを込めてお礼メールをしておきましょう。

内定を承諾する意思があるなら、できるだけ早くすることが大切です。これからお世話になる企業に良い印象を与えるためにも、内定の連絡を受けたらすぐにお礼メールをしておくことをおすすめします。また、お礼メールをする場合の件名は「担当者さま」などではなく、「採用内定のお礼(自分の氏名)」など件名を見ただけでお礼と分かるような内容にすることがポイントです。電話でお礼を伝える際は誠実さをアピールできるチャンスですが、出社直後や昼食、退社の時間帯を避けるよう電話のマナーにも配慮しましょう。

おわりに

転職の面接におけるマナーや流れについてご紹介しました。転職は学校を卒業したばかりの新卒の時と違って、社会人としての経験を求められています。面接官は言葉遣い、服装、経歴、志望動機などを通して、会社の即戦力としてあなたが活躍できるのかを面接を通して見極めようとしています。転職活動で面接を受ける際には、希望する職場で新たな第一歩を踏み出すためにも、社会人としての常識をしっかりとおさえて転職活動を成功させましょう。

LIMO編集部