5. 年金以外の資産をつくる選択肢を考えておこう
今回は、年金の仕組みや各年代が受け取っている年金受給額について詳しく見てきました。
私たちが将来受け取れる年金の種類は国民年金と厚生年金の2つで、自営業やフリーランスとして働く人が受け取れる年金は国民年金のみ。
会社員や公務員として働く人は国民年金と厚生年金の両方が受け取れます。
また、国民年金の平均受給額は5万円台、厚生年金(※国民年金を含む)の平均受給額は14万円台です。
自営業やフリーランスの場合、ひと月に受け取れる年金額は5万円台のため、年金以外の老後資金を手厚く準備をしておく必要があると言えます。
例えば、投資から得られる利益に対して税金がかからず、毎月の掛け金は全額所得控除のため高い節税効果も期待できるiDeCoなどを活用しながら老後に備える方法もあります。
また、会社員の場合、フリーランス等と比べると毎月受け取れる年金額は高いですが、厚生年金は現役時代の収入によって将来受け取れる年金額が個人間によって大きく異なります。
厚生年金の平均受給額がひと月14万円台といっても、現役時代の収入が低かったり加入期間が短期間だったりした場合、月の年金受給額が14万円を下回ることも十分ありえます。
そのため、会社員で国民年金と厚生年金の両方を受け取れると安心せずに、ねんきん定期便やねんきんネットで将来の年金見込額を確認して、不足する老後資金を今のうちから準備しておくことが大事です。
老後資金の貯め方については、iDeCoを活用するのも良いですし、運用途中に解約して資産を引き出しやすいNISAを活用するのも良いでしょう。
会社員であれ、自営業者であれ「老後は年金だけで生活をおくるのは難しい」という認識を持って、早い段階から老後生活に備える準備を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」2024年6月21日
- 金融庁「鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要(2024年8月15日)」
鶴田 綾