過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2021年9月21日) |
田村憲久厚生労働相が先日の会見で、公的年金制度の改革方針について言及しました。
いわゆる「2階部分」である厚生年金の保険料の一部を回し、「1階部分」である基礎年金(国民年金)の水準低下を抑える案などが想定されています。
厚生年金は保険料も「2階建て」で納付しているぶん、国民年金より老後の受給額は手厚めですが、実際の受給額には個人差があります。今日は、厚生年金と国民年金の差に着目しながら、今のシニア世代が受け取る年金額をながめていきます。
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1. ねんきん制度のキホン
さいしょに日本の公的年金制度について、図を使って整理します。
冒頭で触れた「1階部分・2階部分」の関係がイメージできたでしょうか。
1階部分の「国民年金」は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する年金のベース部分。基礎年金とも呼ばれます。2階部分の「厚生年金」は、会社員や公務員が、国民年金に上乗せして加入します。
次で、国民年金(基礎年金)・厚生年金の受給額事情を見比べていきましょう。
2. 国民年金(基礎年金)の平均月額は「5.5万円」
まずは「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和元年度」から国民年金(基礎年金)の受給額事情を見ていきます。
2.1 国民年金「平均年金月額」と「受給額分布」
全体…5万5946円(男性…5万8866円、女性…5万3699円)
国民年金(基礎年金)の年金保険料は一律で、納付した期間に応じて給付額が決まります。年金部分のベースとなるその性格上、性別による受給額の差はあまりないようですね。次では厚生年金について見ていきます。