本記事では帝国データバンクの「『米作農業』の倒産・休廃業解散動向(2024年1-8月)」をもとにコメ農家の倒産・廃業が過去最多ペースとなっている現状をお伝えする。

1. コメ農家の倒産・廃業が過去最多ペース

帝国データバンクによると、2024年1-8月における米作農業(コメ農家)の倒産(負債1000万円以上、法的整理)が6件、休廃業・解散(廃業)が28件と過去最多を更新する勢いだ。

「米作農業」倒産・休廃業解散件数は年々右肩上がりで増加している。

2010年以降の過去最多件数は2023年の35件だが、2024年は40件に達するとも見られている。

主な原因として生産コストの増加と後継者不足が挙げられている。

今後は農業のオートメーション化や新規就農支援などの各種政策がカギになってくるだろう。

「米作農業」倒産・休廃業解散件数 推移(2024年は1-8月のデータ)

「米作農業」倒産・休廃業解散件数 推移(2024年は1-8月のデータ)

出所:帝国データバンク「『米作農業』の倒産・休廃業解散動向(2024年1-8月)」をもとに筆者作成

1.1 帝国データバンクの調査概要

集計期間:2024年8月31日まで
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク

2. まとめ

今回は帝国データバンク発表の資料「『米作農業』の倒産・休廃業解散動向(2024年1-8月)」から農業の現状をお伝えした。

まとめると、コメ農家の減少ペースが過去最多となっている。解決には生産コストの高騰や後継者不足といった課題への対応も必要となってくるだろう。

また、27日に坂本哲志農林水産大臣が「新米が9月中にも出回るので、品薄は順次解消していく。落ち着いた購買行動をお願いしたい」とコメントしたことからも、コメ不足に対する不安は国民の間にも広がっていることがわかる。

近年の寿司ブームなど日本のコメに対する需要の変化にあわせて農業と関連する経済システムも柔軟に変わっていく必要があるかもしれない。

参考資料

LIMO編集部