米中が制裁関税を発動するが日経平均は買い戻しも
2018年7月6日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より241円15銭高の21,788円14銭となりました。
米国が、中国製品に対する追加関税の第1弾を6日に発動する見通しと伝えられたこともあって、今週は週初から世界の株式相場が軟調な展開となりました。
日経平均も週初2日には、前週末比492円安の21,811円と大幅に反落し、4月17日以来、終値ベースで約2か月半ぶりに22,000円を割り込みました。その後も下落は4日木曜日まで4営業日続き、この間の下落幅は700円以上となりました。
ただし、6日に米中が互いに輸入品に対する追加の制裁関税を発動すると、市場では悪材料は出尽くしたと、アク抜けのような動きになり、押し目買いも広がりました。
来週以降の動きはどうなるでしょうか。米国株、日本株ともに高安まちまちで、方向感を出しにくいところです。
貿易摩擦への警戒感が強まる一方で、米株式相場は5日、6日と続伸(4日は独立記念日のため休場)。特に6日は、6月の雇用統計が市場の予想を上回る好結果となったことから、ダウ工業株30種平均が前日比99ドル74セント高の24,456ドル48セントと大幅に上昇しました。
来週初から日本株も追随し底入れ反発するのか、あるいは引き続き軟調な展開が続くのか、なかなか判断が難しいところです。
市場関係者の間では、米中の貿易戦争はいずれ妥協点を探る動きになるのではないかという声もあります。ただし、米中間選挙を前に、米トランプ大統領が今後、さまざまな駆け引きをしてくることも考えられます。
日本企業にとって好材料なのは、為替相場が円安傾向にあることです。6日のニューヨーク外国為替市場は、1ドル=110円40~50銭で終えています。
来週以降、2月期決算企業の3~5月期決算の発表が本格化します。方向感は出しにくい中ですが、好業績銘柄などが個別に物色されると考えられます。
75日線、200日線を割り込み、ダブルトップが形成される
今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週から5日移動平均線に上値を押さえられている状態でした。週初2日にはさらに、ここから大きく下落し、長い陰線となりました。
さらに2日には75日線だけでなく、長く下値サポートラインとなっていた200日線も割り込みました。5月30日の安値(21,931円)も割り込んだことから、5月21日の23,050円、6月12日の23,011円の2つの戻り高値によるダブルトップが形成されました。
短期的には目線を下に持たざるを得ないが、個別には買い戻しも
今後の動きはどうなるでしょうか。ダブルトップが形成されたことから、短期的には下降トレンドラインとなっています。当面は目線を下に持たざるを得ません。
ただし、今週大きく下げたことから、RSIなどオシレーター系の指標は軒並み「売られすぎ」を示しています。6日には5日移動平均線を回復したことから、銘柄によっては買い戻しもありそうです。
といっても、押し目買いを狙うとしても、75日線と200日線が重なる22,000円付近が目先の上値めどになりそうです。自律的な底入れ反発を期待する場合でも、まずはこのあたりを超えてから出動しても遅くはないでしょう。
逆に、22,000円を回復できなければ、調整がさらに続く可能性がありますが、つるべ落としのように急落するとは考えにくいところです。特に、21,000円~22,500円あたりは過去にもみ合ったところであり、しばらく保ち合いになることも想定されます。
下原 一晃