4.4 年金の受給を繰り下げる
年金を増やすためには、受給の時期を繰り下げるのも1つの方法です。
受給を1ヶ月遅らせると0.7%増えるため、1年で8.4%、5年で42%増やせます。
年金額が10万円なら、5年繰り下げると14万2000円になります。
例えば65歳から74歳までは働きながら受給を繰り下げ、75歳から繰り下げで増えた年金を受け取るのもよいでしょう。
ちなみに、厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、70歳時点で国民年金の繰り下げをしている世帯の数と全体における割合は下記のとおりです。
- 平成30年度:2万8822人(1.4%)
- 令和元年度:3万6588人(1.9%)
- 令和2年度:3万8166人(2.2%)
- 令和3年度:4万1113人(2.5%)
- 令和4年度:4万2868人(2.8%)
※厚生年金保険の受給権を有するものを含む。
繰り下げをする方は全体では少数派ですが、時系列で少しずつ増えていることがわかります。
5. 老後の年金暮らしはそれほど余裕はない
かつて年金生活は「悠々自適」のイメージを持たれていましたが、現在は年金だけで老後の生活を支えるのは難しくなっています。
実際に厚生労働省の調査結果からも、年金の受給金額は平均で20万円未満であり、毎月の支出には足りないと感じる方が多いでしょう。
所得が少ないため、住民税非課税世帯に該当するシニア世帯も多く見られます。
年金で不足する分について、老後になる前に対策しておく必要があります。
参考資料
安藤 真一郎