2024年度の定額減税が6月より実施されています。世帯によって金額は異なりますが、所得税と住民税の負担が軽減されているでしょう。

世帯の可処分所得を上げ、物価上昇に対応することも目的です。物価上昇が続き、特に収入の増額が見込めない世帯にとって家計は圧迫され続けています。

この定額減税は年金世帯にも適用されており、年金だけで生活する世帯に対しても支援が行われています。

年金生活者にとってはボーナスなどもなく、大きな収入増は見込めません。ある程度決まった金額を受け取り続けて老後の生活を送るわけですが、それだけで足りているのか気になるところです。

特にこれから年金を受け取る予定であれば、どれくらい年金が受け取れるのか興味がある方も多いでしょう。若い世代にとっては、いつから受け取れるのかなど仕組みそのものを知る機会も少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、実際に年金を受け取っている世帯の年金受給額や老後のお金について考察していきます。

1. 年金だけで生活している高齢者世帯の割合は41.7%

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで生活している人は全体の41.7%であることがわかりました。

  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:41.7%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:17.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.2%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:9.3%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%

厚生労働省「厚生年金保険・国民年金の令和5年度収支決算の概要」によると、厚生年金の保険料収入は約35兆円となっており、前年より約1兆円の増加となっています。

年金の財源は増えてきていますが、それと同時に日本における高齢者の割合も増えてきています。これまでと同水準で年金を支給し続ければ、ますます現役時代の負担が大きくなりかねません。こういった背景も考慮し、年金は毎年度改定されており、2024年度は増額改定となっています。

一方で年金額の増加が実際の物価上昇率には追いついていないことから、実質的には目減りしているのが現状です。