先端設備等導入計画という制度をご存じでしょうか。政府は生産性革命を旗印に、生産性の高い設備の導入や入れ替えを促進するため「先端設備等導入計画」という制度を導入しました。

設備を設置する自治体によっては固定資産税が3年間免除されるというこの制度。設備投資を考えている経営者の方は必見です。

先端設備等導入計画とは

先端設備等導入計画とは、生産性の高い設備などの導入や入れ替えを行う中小・小規模企業が、設備導入により生産性が向上する旨の計画書を作成し自治体の認定を受けた場合、導入する設備の固定資産税が3年間ゼロから半額になる制度です。

これまで法人税が減額になる施策は多くありましたが、赤字企業は減税の恩恵が受けられませんでした。固定資産税は赤字企業でも納税対象になるため、恩恵が受けられます。

生産性の高い設備とは

生産性の高い設備とは、旧モデルに比べ年平均1%以上生産性が向上する設備です。最低取得価格が160万円以上で10年以内に販売開始された機械装置や、同30万円以上で5年以内の測定工具及び検査工具、同30万円以上で6年以内の器具備品、ソフトウェアなどが対象になります。

なお、生産性向上の要件を満たすかどうかは、工業会の認定が必要となります。

対象となる企業は

対象となるのは、資本金額1億円以下の法人や従業員数1,000人以下の個人事業主です。大企業の子会社や中小企業でも資本金が1億円以上の場合は対象にならない点に注意が必要です。

計画策定には

設備導入により、年平均1%以上の生産性向上と、3%以上の労働生産性が向上する計画が必要になります。計画策定には、(1)認定を受けた自治体での設備投資であること、(2)認定支援機関(注)の確認が取れていることが必要です。

注:認定支援機関とは、税理士やコンサルタントなど中小企業支援を行うスキルを持ち合わせており、経済産業大臣が認定している機関です。

固定資産税減免以外のメリット

固定資産税免除以外にも、この計画認定を受けていると補助金審査にて加点されるというメリットがあります。国でやっているものづくり補助金やIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金などの審査時に加点されます。ものづくり補助金は設備投資を行う補助金のため、特に相性がよい補助金です。

人口減少に歯止めがかからない今、国としてGDPを維持・成長させていくためには、設備投資やソフトウェアの導入が必須となっています。それを重点的支える本制度。設備投資や補助金利用を考える際は、認定支援機関の顧問税理士や中小企業診断士に相談してみてはいかがでしょうか。

中野 裕哲