厚生労働省が2024年7月3日に公表した「生活保護の被保険者調査」によると、2024年4月分の生活保護の申請件数は2万796件でした。

では、生活保護世帯は、住民税非課税世帯に該当するのでしょうか。

今回は、生活保護世帯と住民税非課税世帯の要件や目安の年収について解説します。

記事の後半では、1世帯10万円の給付金についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 生活保護世帯となる要件

生活保護は、最低限の生活ができるように保護する国の制度です。

以下の状態にある世帯が、対象となります。

  • 不動産、自動車、預貯金等のうち活用できる資産がない
  • 就労できない、または就労していも必要な生活費を得られない
  • 年金等の社会保障給付を活用しても必要な生活費を得られない

生活保護世帯として認定されると、最低生活費から収入を差し引いた保護費が支給されます。

生活保護世帯の保護費1/2

生活保護世帯の保護費

出所:厚生労働省「生活保護制度」


最低生活費は、年齢や世帯の人数等によって異なります。

次章では、住民税非課税世帯の要件や目安の収入について解説します。

2. 住民税非課税世帯とは

住民税非課税世帯は、世帯の全員が住民税の課税対象とならない世帯を意味します。

住民税の均等割、所得割ともに課税されない場合です。

  • 均等割:所得にかかわらず定額の負担を求める住民税
  • 所得割:所得に応じた負担を求める住民税

住民税は、前年1月から12月の所得をもとに計算されます。

住民税が非課税となるには、以下の要件に当てはまる場合です。

  • 障害者、未成年、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下
  • 単身世帯の場合は合計所得金額が45万円以下

扶養親族がいる場合、以下の計算式で算出された金額が条例で定める金額より下回ると住民税非課税世帯に該当します。以下は一例です。

  • 「35万円×(本人、同一生計配偶者と扶養親族の合計人数)+31万円」

目安の年収は、以下のとおりです。

  • アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
  • 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
  • 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下

扶養親族がいる場合の収入は、以下のとおりです。

2.1 生活保護窮地区分1級地(東京都区部等)給与所得者の例

単身または扶養親族がいない場合

  • 非課税相当限度額(収入額ベース):100万円以下
  • 非課税限度額(所得額ベース):45万円以下

配偶者・扶養親族(計1名)を扶養している場合

  • 非課税相当限度額(収入額ベース):156万円以下
  • 非課税限度額(所得額ベース):101万円以下

配偶者・扶養親族(計2名)を扶養している場合

  • 非課税相当限度額(収入額ベース):205万7000円以下
  • 非課税限度額(所得額ベース):136万円以下

配偶者・扶養親族(計3名)を扶養している場合

  • 非課税相当限度額(収入額ベース):255万7000円以下
  • 非課税限度額(所得額ベース):171万円以下

配偶者・扶養親族(計4名)を扶養している場合

  • 非課税相当限度額(収入額ベース):305万7000円以下
  • 非課税限度額(所得額ベース):206万円以下

では、生活保護世帯は住民税非課税世帯に当てはまるのか確認しましょう。

3. 生活保護世帯は住民税非課税世帯に当てはまる?

生活保護世帯で生活扶助を受けている世帯は、住民税非課税世帯に当てはまります。

つまり、生活保護世帯であれば1世帯10万円の給付金が受け取れる可能性が高いです。

では、政府が実施している1世帯10万円の給付金について、最新情報を確認しましょう。

4. 1世帯あたり10万円の給付金は誰がもらえる?

1世帯10万円が支給される給付金は、多くの自治体で7月から申請を開始しています。

では、給付金が支給される要件と、支給スケジュールについて確認しましょう。

4.1 給付金の支給要件

給付金の支給要件は、以下のとおりです。

  • 2024年度の住民税が非課税となる世帯
  • 2024年度の住民税が均等割のみ課税となる世帯

2024年度に新たに住民税非課税世帯となるか、均等割のみ課税された世帯が対象となります。

そのため、2023年度も住民税非課税世帯だった場合は、今回の給付金は対象外です。

つまり、給付金の支給対象となる世帯の要件は、2024年度に新たに生活保護世帯となるか、新たに住民税非課税世帯となった世帯となります。

では、給付金が支給対象となった場合、支給スケジュールや申請方法について確認しましょう。

4.2 給付金の支給スケジュールや申請時期

給付金の支給スケジュールは、申請してからおおむね3週間から1ヵ月かかります。

主な自治体の支給スケジュールは、以下のとおりです。

  • 北海道札幌市:申請書を受付後おおむね3週間
  • 千葉県千葉市:申請から1ヵ月程度
  • 東京都練馬区:申請から最短で4週間以内
  • 神奈川県横浜市:申請から約1ヵ月
  • 愛知県名古屋市:申請から1ヵ月程度
  • 大阪府大阪市:申請から1ヵ月程度
  • 福岡県福岡市:申請から3週間が目安

自治体ごとに支給スケジュールが異なるので、詳しくはお住まいの自治体に確認してください。

また、世帯によって給付金の申請が必要な世帯と、不要な世帯に分かれます。

東京都江戸川区では「給付金の支給のお知らせ」が届いた世帯は申請が必要ありません。

一方、「確認書」が届いた世帯は給付金の支給手続きが必要です。

確認書に必要事項を記入して、自治体に申請してください。

給付金の申請は期限があるので、期限内に手続きしましょう。

5. まとめにかえて

生活保護世帯と住民税非課税世帯の要件や目安の年収について解説しました。

生活保護世帯は、資産や能力を活用しても最低生活費を準備できない世帯と判断されると、認定されます。

一方、住民税非課税世帯は、扶養親族の人数ごとに決められた所得を下回れば対象です。

生活保護世帯もしくは住民税非課税世帯に該当するかは、福祉事務所やお住まいの自治体に確認してください。

2024年度に新たに生活保護世帯や住民税非課税世帯に該当した場合は、1世帯10万円の給付金が支給されます。

給付金を受け取るためには、申請手続きが必要な場合もあるので、申請期限までに忘れず手続きしてください。

参考資料

川辺 拓也