日本の社会保障制度において、国民年金と厚生年金は重要な役割を果たしています。
しかし、実際にどれくらいの支給額が期待できるのか、多くの方が疑問に思っているでしょう。
国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人に加入義務があり、受給額は保険料納付期間によって決定します。一方、厚生年金は主に企業に勤める会社員や公務員が加入。受給額は収入や年金加入期間により決定します。
また、公的年金は毎年度見直しが行われており、受給開始後に変動することも。
例えば、2024年度の公的年金は、物価上昇や賃金の上昇を反映して前年度から2.7%引き上げられました。
ただし、2024年の物価上昇率は3.2%でしたので実質的には目減りとなります。年金額引き上げによる家計へのプラスの影響はほぼなかったと考えてよいでしょう。
このような状況下で、長い老後生活、年金収入だけでやりくりできるのか。
本記事では、国民年金と厚生年金の平均月額を比較しながら、年金暮らしの実態を覗いていきます。
1. 8月15日は年金支給日!みんなの年金額は月額いくら?
2024年8月15日は、年金支給日です。
この日、2024年6月分と7月分の2カ月分がまとめて支給されます。
2024年度の公的年金は、前年度から2.7%の増額改定となっています。
厚生労働省が公表しているモデル年金額を参考に、2024年度の年金額例を見ていきましょう。
1.1 モデル年金額の例
- 国民年金:満額で月額6万8000円(1人あたり)
- 厚生年金:標準的な夫婦の合計で月額23万483円
※厚生年金は、”平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」”という条件のもと試算されたモデルケース
次章では年齢ごとの平均年金月額を見ていきましょう。