はじめに

会社を辞めるに当たって考えたおきたいのが、しかるべき退職理由です。退職する理由は千差万別ですが、退職の理由を、感じたままにそのまま上司や転職先の面接官に伝えてしまっては、後々困ることもあります。

円満退社を目指すときにも、退職理由は大切なポイントになるでしょう。好印象を与えるための退職理由の伝え方について、今回はいろいろな状況を想定して解説していきます。

目次

1. 退職理由を上手に伝えるためにはどうすればいい?
2. 面接で好印象を与える退職理由は?
3. 履歴書の退職理由はどうする?好印象を与える書き方は?
4. 退職理由を上手に伝えれば円満退社も夢じゃない!
5. 退職理由の上手な伝え方をシーン別にご紹介!
6. 退職理由を伝えるときに気を付けたいポイントは?
7. 退職理由を上手に伝えれば面接官の印象もアップ!

退職理由を上手に伝えるためにはどうすればいい?

退職理由を職場の上司や転職先の面接官に伝える上では、本音と建て前を上手に使い分けるのが1つのポイントになってきます。退職理由によっては、相手の感情を害してしまうこともあります。自分自身のイメージを悪くすることも考えられるため、退社をするときにはもちろん、転職活動をする際にも退職理由については内容をじっくりと考えておきましょう。

ちなみに20代や30代の会社員が、仕事を辞めたい理由として挙げているのは以下のような内容です。

  • 仕事にやりがいを感じられない
  • 給与の額など、待遇面に不満がある
  • 人間関係
  • 休日や残業に不満がある
  • 仕事に将来性がない

このような本音を、もしも退社の理由としてそのまま伝えてしまったら、職場でもひと騒動持ち上がるかもしれません。上司にも退職理由としてすんなりと受け入れてもらえない可能性がありますので、いろいろな面でデメリットが生じてきます。

もちろん、転職活動中の書類選考や面接でも、こういった理由を退職理由として伝えた場合には評価が低くなるでしょう。安心して仕事を任せられる人材、と評価してもらえなくなるかもしれません。キャリアや資格が条件に適っていたとしても、採用を見送る企業が出てくることも考えられます。したがって、退職理由を伝えるときには、本音と建て前を使い分けることも必要だといえるでしょう。

面接で好印象を与える退職理由は?

転職活動の面接でチェックされるのが、例えば以下のような点です。

  • 仕事への意欲
  • パーソナリティ
  • 目指しているキャリア

このような点は、実際に応募者と会って話をすることで見えてくる場合が多いです。面接では志望動機やそれまでの業績などを聞かれますが、転職者の場合は、前の仕事を辞めた理由について質問されるケースも少なくありません。退職理由からイメージできるのが、その人物のパーソナリティや仕事への姿勢など。したがって、面接をパスするためには面接官に好印象を与える退職理由を上手に伝えることが必要になるでしょう。

好印象を与える上で意識したいのが、例えば仕事への前向きな姿勢です。困難なことにも積極的に取り組むポジティブさは、採用率をアップするためにもぜひアピールしたいところ。こういったポジティブさを前面に押し出すためには、ネガティブな退職理由は避けた方が無難です。同僚や上司とのトラブルなどを退職理由に挙げてしまうと、イメージが悪くなるだけでなく、仕事への意欲も疑われてしまいます。社会人としての責任感に欠けているといった印象を与えかねないため、できるだけポジティブな退職理由を考えた方がよいでしょう。キャリアアップやスキルアップを理由に挙げると、評価されやすくなるかもしれません。

履歴書の退職理由はどうする?好印象を与える書き方は?

履歴書に退職理由を書くときには、できる限り内容を簡潔にまとめるのがよい方法です。履歴書の場合は、退職の経緯などを余り詳しく記入するスペースがありません。一般的な退職理由である「一身上の都合により退社」などの退職理由を記入しておけば、書類選考ではねられるリスクは避けられます。

好印象を与えたい場合は、何らかの目的があって辞めたことが分かるような書き方をするとよいでしょう。資格試験の勉強や、新たに学校に通って勉強をしていたときには、その旨を簡潔に記載します。こういったキャリアアップに役立つような活動は、上手に伝えることでかなりポジティブな印象を与えられます。積極的に自分を高めている、といった姿勢をアピールできるため、退職理由が転職のネックになる心配は少なくなるでしょう。

倒産や解雇といった理由によってやむなく退職をしたときは、「会社都合により退社」などの文言でまとめるという方法があります。このような一般的なスタイルで退職理由が書いてあれば、書類選考をスムーズにパスできる可能性がでてくるでしょう。退職を余儀なくされた原因が本人にないことが分かれば、企業側としても安心です。書類で詳細が分からない場合は、面接で詳しい事情を聞いてみようという流れになるかもしれません。

退職理由を上手に伝えれば円満退社も夢じゃない!

退職理由の伝え方は、円満退社をするためにもぜひ押さえておきたいノウハウ。うっかり本音で退職理由を伝えてしまい、それまでお世話になった同僚や上司との関係が悪くなるのは、辞める側としても避けたいところではないでしょうか。こういった円満退社をするには、退職理由の切り出し方から気を配るのがベスト。いきなり辞表を書いて提出するといった行動はせず、まずは直属の上司に相談をするのが自然な流れになるでしょう。

相談をする際の退職理由には、無難な建て前を用いた方が話し合いがスムーズになります。上司から共感が得られるような理由であれば、管理職のスタッフにも伝えてもらいやすくなります。同僚からも理解が得られ、退職の手続きもつつがなく進むでしょう。辞める側としても、同僚や上司から好感を持ってもらえた方が、仕事の引継ぎなどがしやすくなることは確かです。

円満退社をする上でぜひ活用したいのが、キャリアアップを目的とする退職理由です。例えば海外留学や進学などは、比較的無難な退職理由になってきます。前々から抱いていた夢を実現するため、なども、周囲から応援されて円満退社できる可能性があります。実のところ、会社を辞めるときには、事実よりも相手の気持ちを害さないような建て前を伝えた方がよい場合もあります。

退職理由の上手な伝え方をシーン別にご紹介!

例えば上司に退職理由を伝えるときには、相談という形でソフトに話を進めるのがおすすめです。上司の立場を考えて、段階的に退職の意図を伝えていくのがポイントです。また、上司に退職理由を述べるシーンでは、現状への不満はできるだけ出さない方がよいでしょう。人間関係や仕事内容についての不満を挙げると、少なからず上司に責任を感じさせてしまう恐れがあります。お互いに気持ちよく対応するためにも、専門的なスキルを磨きたい、などのポジティブな理由を挙げましょう。

円満退社の場合は、同僚や上司が送別会などを開いてくれる場合もあります。このようなシーンでは、退職の挨拶も必要になるでしょう。送別会の席では、集まってくれた人の気持ちを考えて退職の挨拶をするのが基本。新しい門出を祝ってくれる同僚や上司の気持ちを害するような言葉は、差し控えたいところです。こういったシーンでは、感謝の気持ちを伝えながら退職理由を簡単に述べるとよいかもしれません。家族の介護といった理由でも、伝え方によってはポジティブな印象を与えられます。

履歴書を書くときには、読む側が納得できるような退職理由をシンプルに記載するのがベストです。契約期間が決まっていた場合は、「契約期間満了により退社」と記載すれば、短期間の就業でも悪いイメージを持たれることは少なくなります。

面接では、いかにポジティブな印象を与えられるかがキーポイント。例えば、給与などの待遇面の不満で辞めた場合には、業績を評価してもらえる職場で働きたい、といった姿勢を積極的にアピールをするとよいかもしれません。

退職理由を伝えるときに気を付けたいポイントは?

上手に退職理由を伝えるために気を付けておきたいのが、例えば以下のようなポイントです。

  • 明らかに嘘と思えるような理由は挙げない(そもそも嘘はつかない)
  • 相手の感情を害さないような切り出し方をする
  • 転職活動の事実がバレないように注意する

退職理由を伝えるときには本音と建て前を上手に使い分けるのがおすすめですが、いくら建て前でも嘘はもちろん厳禁です。また、明らかに嘘であることが明白な理由を挙げるのは、却って逆効果。建て前で家族の介護などを理由にする場合、家族構成などから嘘である事実がバレてしまうこともあり得ます。便利な建て前で退職理由をまとめるときにも、不自然な印象にならないように気を付けたいところです。

同じ理由であっても、話の進め方で大分印象が変わる点も注意しておいた方がよいでしょう。直属の上司から徐々に退職の意思を伝えていく、などの方法で周囲の人を混乱させないようにすることが大切です。

退職理由を上手に伝えたい場合、転職活動の事実を周囲に知られないように気を配るのも1つのポイントになってきます。転職活動を熱心に行っている事実を同僚や上司に知られてしまうと、建て前の退職理由で円満退社を狙っても、難しくなってしまうかもしれません。職場の休憩時間などを利用して転職活動をしていると、気がつかないうちに周囲に知られている可能性もあります。

退職理由を上手に伝えれば面接官の印象もアップ!

応募者の退職理由は、面接官にとってはその人物を知るための1つの参考材料になってきます。こういった退職理由に思わず好印象を持ってしまうような内容が挙げられていれば、他の点で何らかのマイナスポイントがあったとしても採用になる可能性が出てきます。会社を辞める、という一見ネガティブにも見えるが行動も、退職理由の伝え方次第では強力なアピールポイントなることもあるわけです。

例えば、その人物のパーソナリティや仕事への意欲が垣間見えるような退職理由であれば、面接官からの評価も高くなると予想されます。人間的に好感を持ってもらえれば、とんとん拍子に採用まで漕ぎつけられることもあるでしょう。退職理由を考えるときには、面接官の視点で内容をチェックしてみるのがおすすめ。ぜひ、この人と一緒に仕事をしたい、と思ってもらえるように、必要に応じて本音と建て前を使い分けながら内容を考えていきましょう。

人間関係や病気といった理由で前職を辞めた方も、視点を変えればポジティブなアピールができるかもしれません。面接官は単純に話の内容から状況を理解しますので、伝え方は非常に大切です。退職理由なんてどう伝えても余り変わらないのでは?と諦めずに、面接官に好印象を与えられるような退職理由を打ち出してみてはいかがでしょうか。

おわりに

相手に好印象を与える退職理由は、転職活動や円満退社をするときにも必要です。やむを得ない事情があるときでも、周囲の気持ちを害さないように上手に話を進めましょう。好印象を与えるノウハウをマスターしていれば、転職活動をする際にも多いに役立ってきます。好感度の高い退職理由を考えることも、社会人としての1つのスキルといえるのではないでしょうか。

LIMO編集部