2024年度新たに住民税非課税世帯等に対して、10万円給付が実施されることをご存知でしょうか。
住民税非課税世帯はこれまでも、3万円や7万円といった給付金制度の対象になっていますが、どのような世帯が該当するのか気になる方も多いでしょう。
本記事では、住民税非課税世帯の要件と収入条件について詳しく紹介していきます。
各年代における住民税非課税世帯の割合についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 住民税非課税世帯とは?
まずは「住民税非課税世帯とはどのような世帯が該当するのか」について確認していきましょう。
住民税非課税世帯とは、「住民税が非課税」となっている世帯を指します。
住民税は、一定の所得がある場合に課税の対象となる「均等割」と、所得に応じて課税額が変わり課税の対象となる「所得割」の2種類で構成されています。
【写真全3枚中1枚目】個人住民税(均等割・所得割)の概要。2枚目以降では、年代別における住民税非課税世帯の割合などを掲載。1/3
この「均等割と所得割」どちらも課税されていない世帯が、住民税非課税世帯に該当します。
なお、住民税非課税世帯は「世帯全員が非課税」である必要があるため、世帯の中に一人でも住民税の課税対象がいた場合は、住民税非課税世帯にはなりません。
住民税非課税世帯の要件は自治体によって異なりますが、一例として東京都港区の場合の要件は下記のとおりです。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている人
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万4000円未満)である人
- 前年の合計所得金額が一定の所得以下の人
上記に該当する場合は、住民税非課税世帯となります。
では、この要件に該当する世帯はどのくらいいるのでしょうか。
次章にて、住民税非課税世帯の割合を年代別で比較していきましょう。
2. 【年代別】住民税非課税世帯の割合
2024年7月5日に公表された厚生労働省の「令和5年 国民生活基礎調査」によると、年代別における住民税非課税世帯の割合は下記のとおりです。
2.1 年代別 住民税非課税世帯の割合
- 29歳代以下:32.7%
- 30歳代:12.0%
- 40歳代:10.0%
- 50歳代:13.6%
- 60歳代:21.7%
- 70歳代:35.9%
- 80歳代以上:52.5%
住民税非課税世帯の割合が最も多いのは80歳代以上で52.5%となっており、次いで多いのは70歳代で35.9%という結果に。
高齢者世帯ほど住民税非課税世帯に該当しやすいことがわかります。
では、なぜ高齢者に「住民税非課税世帯」が多いのでしょうか。
次章にて、その理由を解説していきます。
3. 高齢者に「住民税非課税世帯」が多い理由
高齢者に「住民税非課税世帯」が多い理由として、主に3つが考えられます。
3.1 高齢者に住民税非課税世帯が多い理由1:収入が低い
高齢者に住民税非課税世帯が多い理由の1つとして「収入の低さ」が挙げられます。
多くの人の場合、老後の大きな収入源は公的年金となりますが、公的年金で受け取れる収入は少ないものとなっています。
参考までに、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は「5万6316円」、厚生年金の平均月額は「14万3973円」となっており、現役時代の給与と比較すると格段に少ないことがわかります。
住民税非課税世帯になるには、前年の「合計所得金額」が一定額以下であることが条件です。
多くの高齢者は「年金収入のみ」で生活しており、この所得基準を満たせないケースが多いことから、住民税非課税世帯に該当する割合が高くなっているのでしょう。
3.2 高齢者に住民税非課税世帯が多い理由2:所得が低い
また、同じ収入でも「給与収入の場合」と「年金収入の場合」では所得が異なります。
年金収入の場合は所得が少なくなるため、「住民税非課税世帯となるハードルが低い」ことも、高齢者に住民税非課税世帯が多い理由となっています。
住民税非課税世帯に該当する年収条件は、自治体によって異なりますが、一例として東京都港区の場合の「給与収入」と「年金収入」それぞれの条件は下記のとおりです。
【東京都港区の場合の収入条件(合計所得が45万円以下)】
- 給与収入:100万円以下
- 65歳未満で年金収入のみ:105万円以下
- 65歳以上で年金収入のみ:155万円以下
給与収入の場合、収入が100万円以下であることが住民税非課税世帯の要件となっていますが、65歳以上で年金収入のみの場合は収入155万円以下であることが要件となります。
つまり、年金生活者のほうが給与収入をもらっている人よりも、住民税非課税世帯になるハードルが低くなっているのです。
3.3 高齢者に住民税非課税世帯が多い理由3:遺族年金は非課税
配偶者との死別により、遺族年金を受給する高齢者も多いです。遺族年金は非課税なので、そもそも所得としてあがりません。
そのため、住民税非課税世帯に該当しやすくなるのです。
このような理由から、若い年代よりも高齢者のほうが住民税非課税世帯が多くなっているのでしょう。
4. ご自身の世帯が「住民税非課税世帯」か確認しておこう
本記事では、住民税非課税世帯の要件と収入条件について詳しく紹介していきました。
住民税非課税世帯の多くが高齢者となっていますが、どの年代層でも要件を満たしていれば住民税非課税世帯になり得ます。
住民税非課税世帯は、給付や助成などさまざまな支援を受けられ、今年度も住民税非課税世帯に対して10万円の給付が実施される予定です。
住民税非課税世帯の場合は、このような支援を受けるためにも、事前に該当世帯であるかどうかを確認しておくことが大切です。
ご自身が「住民税非課税世帯」に該当するかの要件は自治体によって異なるため、お住まいの自治体ホームページもしくは、地域の担当課へ確認してみると良いでしょう。
参考資料
- 財務省「住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」
- 厚生労働省「令和5年 国民生活基礎調査」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
太田 彩子